1977年夏の本作の突然の上映中止のショックは、もし例えば今年の夏の話題作『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』が突如上映中止になった場合のことを想像してもらえれば、今の人にも理解してもらえるだろうか。それくらい当時は衝撃的事件だった。
筆者が本作を鑑賞できたのは、その6,7年後にビデオ発売された時だった。本来のシネスコがTVサイズにトリミングされて画質もベストとは言えなかった。しかも、公開中止前に幸運にも試写を見た人間からは「傑作だった」とさんざん聞かされていた。百倍、二百倍に膨らんだ期待の中でのビデオ鑑賞だった。そんな期待で見たら普通の作品は鑑賞後ガッカリするものだ。ところが、本作は見事な傑作だった。特に、特殊爆弾を積んだ飛行船が満員のフットボール開場に突き進むのを阻止できるかどうかのクライマックスの凄さは筆舌に尽くしがたい。これでもかこれでもかのスリルとサスペンス。ヒッチコック映画を10本くらいまとめて凝縮したような力と迫力がある。目もくらむヒヤヒヤ、ドキドキの連続である。手に汗握るとはまさにこの事だ。本当に凄い。本作を見て損は無し。買って損はない。絶対にお勧めのDVDだ。