「ブラックホールの性質を決めるものは、『質量』、『回転(自転)』、『電荷』の三つしかありません。質量がないものはありませんので、回転・電荷の有無によって4種類の基本タイプに分けられます」。
ホワイトホールやワームホールも含め、一冊丸ごと、ブラックホール。Newtonらしい、鮮やかなイラストが満載。とてもわかりやすい。
ブラックホールとは何か。シバルツシルト半径。相対性理論との関係。ブラックホール実在証明までの道。観測方法。ほとんどの銀河の中心にはブラックホールがあること。時間や空間との関係。ブラックホールに落ちるとどうなるか。特異点とは何か。ホワイトホールの正しい概念。2つの空間を一瞬でつなぐワームホール。タイムトラベルの可能性。クエーサー。ガンマ線バースト。
ちょっと驚いたのが、人工ブラックホールの可能性についての紹介。「ブラックホールを利用してゴミ問題も解決」というのもある。また、人工的に作り出す研究を通して未知の次元の存在発見といった革命的な成果も期待できるかもしれないとのこと。最後の量子重力理論との関係もよくまとまっている。
ブラックホールというと何でも吸収してしまうものというイメージがあるが、研究対象としての奥深さもなかなかのものである。
P.S.
このレビューを書いたあと、本屋に行ったら、同じNewton別冊のシリーズで「ブラックホールと超新星」というのが出ていました。実質的に、本書の改訂版になっているので、これから購入を検討される方には、そちらをお勧めします。