ダイアン・レイン主演のサイコスリラー。邦題に『ブラックサイト』という可哀そうなタイトルをつけられているが、なるほど、ある意味ブラック。
趣はやや異なるが、『ザ・インターネット』『ファイヤーウォール』などwebを題材としている作品の一つで過去に良作が全く見当たらないことからも期待は出来ないこと請け合い。肝心の中身は『羊たちの沈黙』や『SAW』を真っ向に意識しながらも、オスカーを狙えるような技量でもないし、アイデア勝負のサンダンスにも程遠い。
齢43歳を迎えたレインはキッドマンのようなマネキン的な美しさがないだけ真っ当に見えるが、その実どうしてもジョディ・フォスターの影がちらついてしまう。HDで観るには演技が求められる年齢に達してしまったが、かつてのような輝きは見られない。
倒叙のスタイル(工学知識が高いだけで、FBIを翻弄できるというのも…)をとっていることで犯人探しはなくなるが、犯人とFBIの駆け引きは特にない。また、犯行動機(この辺がSAWを意識してるかな)が無理やりで、犯人のバックボーンに触れてからも理解に苦しみ、最後まですっきりしない形。
犯罪を傍観している者がネット社会において、共犯となりうる可能性があるという古臭い設定。メディア自らのエゴで無意識の犯罪を垂れ流すことによる怒りがきっかけという何ともお粗末な脚本もトホホ…。3人も関わっておきながらこの顛末とは。FBIの無力さを見ると制作者サイドが国家権力になんらかの恨みがあるのかとさえ思ってしまう。