あの『ブラッカムの爆撃機』がついに復刊されると知ったとき、嬉しくて飛び上がりそうでした。
しかも『ぼくを作ったもの』という作品も収録されています。
ウェストールの作品はどれも自分の分身を描いているように感じられるのですが、
この話の中で、その素地を作ったのは何であったかが明かされています。
それと、これは評価が分かれるでしょうが、
宮崎駿監督のウェストールへのオマージュ作品が掲載されています。
もちろんほかの作品を読んでからの方が、より楽しめます。
わたしは売るための方便かと思っていましたが、読んでみたら、
監督のウェストールへの深い敬愛を感じるものでした。
お顔も似てるのだ、このおふたり!
金原さんは翻訳に少し手を入れています。
あれから十六年経って、ことばの違いを意識したのでしょう。
作家の生涯も収録されているので、彼のことをより深く知りたいという読者は必携です。
ぼんやりとしか知らなかった心の傷をはっきりと知り、
わたしはかすかに胸が締め付けられるのを感じました。
戦争の悲惨さと真実を、人間の心の奥深さを描き続けたウェストール。
多くのかたに読んで頂きたい作家です。