本作はいい意味で「力の抜けた」映画である。
チェコやモンテネグロでのロケーションだけ眺めていても綺麗だし、またテンポの良い演出も見応えがある。
この雰囲気を日本映画に置き換えてみれば・・・もう「ルパン三世」の世界観じゃないか。
E・ブロディがルパン、M・ラファロが次元、菊池凛子が不二子、そしてR・ワイズはお姫様といった感じだ。
詐欺師をテーマにしているので、一応ストーリーは二転三転するが、そこはどちらでもよろしい(笑)。
主演4名の「衣装」や「印象的場面」などにフォーカスする作りになっているからだ。
特に女優ふたりの衣装については、シーンごとに変えているんじゃないかと思うくらいの豪華さで魅せる。
M・ラファロ以外の3人は揃ってオスカー候補&受賞経験者であり、映画的な「華」もある。
バンバン役の菊池凛子は、劇中セリフをほとんど喋らない。
英語力がまだまだなこともあろうが、まるで早川雪洲のサイレント作品を観るような感覚だった。
編集の妙で、凄くコミカルな凛子が観られるが、この方法は長くは使えない。
これから女優として「旬」となる30代なので、日本映画の枠内に止まらず活躍して欲しい女優である。
ただし、あまりに編集頼みにしたため、このテの映画(最高作は言わずと知れた「スティング」だが)
にしては「オチ」が中途半端だった。
全米の観客も厳しいので、いくらいい俳優を揃えてもホンがダメだと劇場に足を運ばない時代だ。
本作も興行成績はたった350万ドルに終わった。
でも詐欺師なら何でもアリなので、ぜひ再集合してパート2を作って欲しい。
映像はDVDとしては上質(というかHDでは発売されていない)であり、抜けた明るい画質が作品に
合っている。星は3つです。