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5つ星のうち 4.0
誤解されている映画, 2009/7/3
レビュー対象商品: ブラウン・バニー [DVD] (DVD)
「絶対にこの人でないとダメ」なんて恋は今まで経験したことがないしこの先もないだろうと思う。 ヴィンセント・ギャロの「ブラウン・バニー」を観て、かけがえのない存在を失う気持ちを疑似体験し、そのあまりの辛さに「やっぱり自分には無理だな」と思いつつも、どこかでちょっと羨ましかったりもした。 平静な状態を0として、マイナスとプラスに感情は触れ続ける。 その上限と下限の絶対値は同じと多分決まっているんだろうと思う。 マイナス10以下に行かないようにすれば、プラス10以上にも行かなくなる。 この「ブラウン・バニー」、いろんなところで酷評されたそうだ。 淡々と続くロードムービーで、前半やや退屈なところは名作「バッファロー'66」と同じだが、ラストが素晴らしければ前半の退屈さは「計算どおり」と見なされるし、その逆ならこのとおり、丸ごと否定されるわけだ。 一見ナルシー男の妄想爆発映画に見えるけれども、よーく最後までみると、監督が妄想爆発なんではなくて、「妄想爆発している男」を客観的に描いている。 これは大変恥ずかしい作業であって、なかなかできることではない。 どうもこの映画は誤解されている。 そうはいっても「凄く良かったから是非観て」とお勧めするほどでもないけれど。 ペットショップでウサギの寿命を尋ねた主人公の、 「最長でたったの5,6年?どんな特別なエサをやっても?」というセリフ。 ギャロが描きたかったのはその底知れぬ寂しさだったに違いない。
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5つ星のうち 5.0
自分が失った愛を思いださずにいられない傑作。, 2010/6/1
レビュー対象商品: ブラウン・バニー [DVD] (DVD)
観終わった後胸が締め付けられる映画。 主人公と一緒に自分もどこか遠くに行ってしまいたくなります。 最後の描写がヴィンセント・ギャロのマスターベーションだという 意見もたくさんあるようですが、そうは思いませんでした。 彼が自分大好き人間だからあの画を撮ったとは思わない。 あのシーンは無くてはならない場面だったと思います。 相手を欲する気持ちをどう表現したらよいかわからなくなって ああするしかなかったんだなーと。 嫉妬と絶望と愛情と性欲と・・・一人の人間が人を愛する時に 抱く葛藤は好き/嫌い、といった2者択一ではすぱっと割り切れないはず。 主人公の感情の揺れ動きの表現が絶妙。ラストではあまりの悲しさに 涙が止まりません。自分が失った愛を思いださずにいられない傑作。 傷ついた人をゆっくりと包み込むような、ノスタルジックなアメリカの情景も素晴らしい。
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5つ星のうち 4.0
独特のアプローチ, 2010/5/27
レビュー対象商品: ブラウン・バニー [DVD] (DVD)
観ている内にダラけてくるんですが しばらくすればまた観たくなる。不思議な魅力があります。 強烈なリアリティを、ゆったりとした独特の雰囲気が包み込み、緩和します。 レイプや性交のシーンが、イヤらしさでなく、少しだけ崇高な感情に変換されるのには、主人公の葛藤が描かれているからでしょう。この点のみをとってみても、これは良い映画なんだと思えます。 人間の深い部分を描くにおいて、観念的なアプローチでもって成功させている物語というもんは、おそらく多くはありません。 切ない感情で胸がいっぱいになります。それでいて同時にポジティブな感情が沸き上がってくるのには、ただ暗い自分に浸るのではなく、脱出するまでの過程の自分を描いているからです。ここに共感します。 悲劇ではありません。
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