著者のエリック・タムは、カリフォルニア大学バークレー校の音楽学部在籍中に「1970年代のプログレッシブ・ロック」を題材に博士論文を書くことにしました。最初はロバート・フリップ(いわずもがな、キングクリムゾンのギタリストです)を対象に研究をし始めましたが、そのときは、フィリップのことをうまく分析できずに、ギター・クラフト(フィリップの主宰するギター教室)に参加したときに、フリップ自身からも難色を示され、代わって「ブライアン・イーノを題材にしたらどうか」との提案を受けました。この書籍「ブライアン・イーノ 音楽の色層の探索(Brian Eno : His Music and the Vertical Color of Sound)がその論文です。
後に、フリップについて書き直した
ロバート・フリップ―キング・クリムゾンからギター・クラフトまで (宝島COLLECTION)(これも素晴らしい本です。大推薦します)に比べると、表現も堅く、やや難しい内容です。とくに第一部は、私にとっては難しいです。しかしブライアン・イーノのことをもっとよく知りたい方に対して、大いにお勧めしたい書籍です。何度も読み返して一生楽しめると思います。私は、とくにイーノがプログレッシッブ・ロックに取り組んだ時代に関する分析部分など(第二部の8.9.10あたり)を何度も読み返しています。イーノのただの伝記ではない、音楽への取り組み方、思想性、楽曲研究をした唯一無二の本だと思います。
書籍は以下のような章立てになっています。参考にしてください。
第一部 音楽の世界の中のイーノ
1 イーノの作品の概要
2 背景と影響
3 他の音楽について/批評家としてのイーノ
4 非ミュージシャンの耳
5 イーノの聴衆、イーノの意図
6 作品のプロセス
7 哲学者としての音楽家
第二部 イーノの音楽
8 ロックの極限
9 イーノのプログレッシブ・ロックとその音楽
攻撃的なロックの曲 ポップ・ソング 奇妙な曲 賛美歌のような曲 インストゥルメンタルの曲
10 アンビエント・サウンド
ロバート・フリップ デビッド・ボウイ トーキング・ヘッズ デビッド・バーン
11 コラボレーション
12 本質と歴史と美
最後にもう一度、大いにお勧めいたします。