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ブザンソン音楽祭における最後のリサイタル
 
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ブザンソン音楽祭における最後のリサイタル

リパッティ(ディヌ) CD
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 演奏: リパッティ(ディヌ)
  • 作曲: モーツァルト, シューベルト, ショパン, バッハ
  • CD (2007/10/24)
  • ディスク枚数: 1
  • レーベル: EMIミュージック・ジャパン
  • 収録時間: 73 分
  • ASIN: B000TLYFB0
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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16. 13のワルツ 第7番 嬰ハ短調 作品64-2
17. 13のワルツ 第11番 変ト長調 作品70-1
18. 13のワルツ 第10番 ロ短調 作品69-2
19. 13のワルツ 第14番 ホ短調 遺作
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By OC with you! トップ500レビュアー
形式:CD
白血病による死期迫った1950年9月16日、妻や主治医に見守られながら開催された
33歳にして人生最後の演奏会・・・『ブザンソン告別演奏会』
モノラルで音は良くないのですが、これほど“生と死・音楽”について考えさせられる
リアルな音楽のドラマは他に類を見ません。

グルダのシューベルト:4つの即興曲集やホロヴィッツのザ・ラスト・レコーディング、
バックハウスの最後の演奏会やネイガウスの有名な最後のリサイタルなど、
死の直前の(ライヴ)名録音が数ある中で、その若さ故か、最も胸息詰まる演奏でもあります。

バックハウス盤もそうでしたが、聴衆の拍手や演奏直前の“指馴らし”までもが収録されており、
迫真に迫った演奏が始まるという期待感が膨らむ中、悲壮感とは無縁な堂々たる演奏が始まります。
このCDのタイトルを知らないで聴くと、リパッティの死の兆しを感じ取ることは不可能でしょう。

シューベルトの2つの即興曲、それに続くワルツにしても、
軽快で力強い指さばきから奏でられる“男リパッティ”の薫りが強烈で、
モノラルのハンディキャップを見事に払いのけています。
この日は、作品34-1変イ長調“華麗なる円舞曲”のみ演奏されていませんが、
さらに音が悪いスタジオ盤よりも、こちらを彼のワルツ全集としても良いかもしれません。

このCDではバッハの“主よ人の望みの喜びよ”がカットされているのは残念です。
このレビューは参考になりましたか?
62 人中、53人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:CD
 どの世界にもずば抜けた才能を持ちながら夭折した者たちは数多くいる。西洋音楽の世界でも、指揮者のイシュトヴァン・ケルテス、フェレンツ・フリッチャイ、ヴァイオリニストのジネット・ヌヴー、チェリストのジャクリーヌ・デュ・プレ、テノールのフリッツ・ヴンダーリヒなど錚々たる人物ばかりである。才能を持つものが早世するのは神が定めた宿命なのだろうか。それは私には計り知れない事だが、しかし、それゆえに偉大な芸術家として後世に語り継がれるのかもしれない。その一人で、今では伝説的とも言えるピアニストがディヌ・リパッティである。
 ディヌ・リパッティはルーマニア、ブカレスト生まれの夭折した天才ピアニストである。かのコルトーにピアノを学んだ経歴を持ち、コルトーも彼が亡くなった時には大変な逸材を無くしたと悔やんだそうである。それほどの才能を持ちながら夭折してしまったのは私たちにとっても大変惜しい事であった。しかし、その短い人生の中で、後世に数としては少ないが、かけがえのない遺産を残したくれた。彼の常に凛として格調高く、音楽そのものに敬意を持って接する態度はこの数々の録音の中に窺い知れる。彼が単に抜きん出た才能の持ち主でなく、その与えられた才能を弛まず努力し、磨き上げ、妥協を許さずに音楽と向かい合ってきた事は彼を直接知らない聴き手の私たちにさえ、その音楽に耳を傾ければ理解できるだろう。その彼が生涯最後の演奏会として舞台に立ったものが、この「ブザンソン告別リサイタル」である。
 この時期は彼の症状は悪化し、特効薬を投与する事も止め、もはや演奏ができるような状態であった彼は、医師からこの演奏会をキャンセルするよう勧められたにもかかわらず、それを振り切って「僕は約束した。僕は弾かねばならない」と言って、この演奏会に臨んだそうである。この不屈の意志と気高き精神にはただ心を打たれるのみである。演奏曲目は彼が得意としたレパートリーばかりで、シューベルトを除いては他に正規のスタジオ録音としても残されており、全体的な完成度としてはそちらの方が高いと言える。けれども、この録音にはライブ特有の起伏やテンポの揺れがあるだけでなく、この生涯最後の演奏会に臨む一芸術家としての使命感や鬼気迫るものが感じられる。決して演奏自体が深刻さを持っているわけではない。むしろ、リパッティの清澄で格調高い音楽に終始貫かれている。しかし、巨匠と言われる芸術家の最後にありがちな神秘性や抑えてきた自己の想いの告白さえも自制して、最後の最後まで芸術家として音楽を伝えようとする使命感にはただ私たち聴き手の心に深く迫る感動を呼び起こすのである。彼の唯一の録音であるシューベルトの即興曲での美しい流れと底から湧き上がってくる感情はそこらの澄ました演奏とは一線を画している。これだけでも貴重なものである。また得意とする、バッハ、モーツァルト、ショパンの演奏も輝きを放っている。ただ、唯一惜しむらくは、リパッティの十八番であるショパンのワルツ第二番が演奏できずに収められていない事である。最後にこの曲ですべてを終えて欲しかった。
 近年、芸術が商業化され、コンサートでも演奏者と聴衆が二元化された構造の中、何ら深い感動なしに日々一種の習慣のように演奏行為が営まれているが、このような図式が果たして本当に良いのであろうか。芸術はただ耳で聴いて、その美しさに浸って、満足すれば良い、ただそれだけのものであろうか。戦前、戦争直後は芸術が生きる人間の魂に深く響き、人々に生きる勇気や励ましを与えていたのではないだろうか。むしろ、芸術が生きるのに不可欠なものではなかったのではないだろうか。そこには演奏者と聴衆との間には精神的な隔たりは存在せず、むしろ双方が一体となって音楽という芸術を作り上げていたのではないか。音楽は本来そのようなものであると私は思う。メディア業界が進歩した現在はそれがむしろ文明の進化に伴って、希薄化してしまった。これが良い事か悪い事かは人それぞれ思うところが異なるだろうが、ただ、音楽に命を賭けたリパッティのような芸術家の演奏を聴くと、音楽の意味を改めて考え直させるきっかけを与えてくれると同時に、音楽と人間との精神的結びつきを決して忘れてはならない事を学ぶのである。
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15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:CD
音質は録音年代を考えれば妥当。演奏は強靭な意志を感じさせる正確さで音符が流れていく。しかしそんなことよりも、このCDに関して言っておくべき事がある。
私がこのCDを買う動機となったシューベルトの作品90の2。昔出た盤では、最後の音が長く伸ばされ、拍手が重なっていた。それが、このCDではものの見事に削られているのである。
おそらく、他の曲も同様な仕打ちを受けているのだろう。
最初の拍手を入れる位なら、なぜ元の録音を完全な形で再現しなかったのか。作品の一部の音よりも、演奏前の拍手が大事だというのか。
あまりにぞんざいな扱いに、リパッティもあの世で嘆息しているだろう。
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