71年発表、フーの最高傑作『フーズ・ネクスト』。
フーの代表的な作品として真っ先に挙げられるのは69年発表の『トミー』ですが、アルバムとしての完成度、楽曲の充実度、演奏技術、どれを取っても本作こそ最高傑作と呼ぶに相応しい作品です。ジャケット写真もキマッてます。
ループするシンセサイザーと “10代は不毛の時代だ” というフレーズが印象的な「ババ・オライリィ」。一転してハードなサウンドが強烈な「バーゲン」。キース・ムーンのドラムが冴え渡る「マイ・ワイフ」。哀愁漂うメロディと切ない歌詞が心に響く感動的なナンバー「ソング・イズ・オーバー」。静と動の両面を併せ持ち、静かにB面の始まりを告げる「ゲッティン・イン・チューン」。全てに見放された男の、心の叫びをしっとりと歌い上げる「ビハインド・ブルー・アイズ」。そして、最後を飾るのは彼らの代表曲でもある、シンセサイザーとギター・リフが強烈な名曲「無法の世界」。
圧倒的な手数を誇るキース・ムーンのドラム、ジョン・エントウィスルの速弾きベース、感情豊かで魂溢れるロジャー・ダルトリーのボーカル、そして、作曲も担当するフーの司令塔ピート・タウンゼントのエッジの利いたギター。ライヴで見せるハード・ロック的な破壊力を残しつつ、トミーで聴かせた耳に馴染みやすいポップさも持ち、プログレッシブな構成を誇る楽曲の数々。また、緻密かつ繊細なアレンジは聴いていて心地よくもあります。ジャンル的にはどれにも当てはまるようで、どれにも収まりきらない、圧倒的な完成度を誇る名盤です。
ボーナス・トラックも「ソング・イズ・オーバー」の原曲とも思える「ピュア・アンド・イージー」やライヴ並みの疾走感と攻撃力を見せる「ベイビー・ドント・ユー・ドゥ・イット」、「ビハインド・ブルー・アイズ」の別バージョン等、充実した内容です。