ホラーというジャンルに括るには難しい作品に感じた。
確かにショッキングなシーンも多々あるが、全部を観た後には意外と記憶に残らない。おそらく他のスプラッタ物でやり尽くした殺害ネタを取り入れているからかもしれない。
襲う側も放射線や産業廃棄物で凶暴化した連中でも、カニバリズム信仰化といったスプラッタ物でお馴染みの方々ではなく、今だナチズムを信仰としてる一家とパンチとしてはいささか弱い気がした。
設定だけでは都市伝説レベルである。
しかしこの作品の根底に有るのはおそらく『恐怖』ではなく『家族』の 物語なのだと思うのだ。
主人公でありヒロインのヤスミンは妊婦であり、最愛の兄が撃たれるところからストーリーは始まり、安宿の一家は猟奇的なロジックに支配されてはいるが、そこにはこの家族なりの家族愛があるようにも見えた。
一番印象的なのはヤスミンと同じ境遇でありながら、すべてを受け入れた少女。本当の家族をいまだに信じ、与えられた夫を愛し、産まれてきた子を愛す少女はこの作品のテーマ『家族』の体現者といえる。
そんな彼女は私にはヤスミンとは別の選択肢を選んだもう一人の主人公に見えた。
すべてが終わった後この二人の主人公と子供達が、ある意味狂った世界でどうなったのか、ヤスミンの願い通り『自由』を手に入れられたのか気になります。
映像的にも冒頭のシーンからスピーディー。
ただ終盤の銃撃戦といい、やはりホラーぽくないと感じた。
もっとおどろおどろしくても良かったかなと思い、★は4つです。