レビューとかで情報を仕入れずに観てしまえば必ずずっこけてしまう珍作である。クセモノのタランティーノが作品に関わっている時点で「普通なものになるわけがない」のは確かではあるが、前半部分のみを見ている限りは「どう考えてもクライム・ロード・ムービー」である。
きっちりと綿密に作り上げられており、前半部分では「銀行強盗犯と彼らの逃走に巻き込まれた一家の恐怖」を上手く表現している。
初めて観た時、私は何にも知らなかった。後半に吸血鬼たちとの死闘へとストーリーが飛躍することなど全く知らなかった。
当然、ずっこける。何じゃこりゃ、と。そして爆笑。「うははははははは」と笑うしかない。勝手にストーリー展開を想像し「結末はこんな感じになるだろう」と思っていたものを完全にぶち壊され、そしてそんな結末を想像していた貧相な想像力しか持たない自分の頭脳に呆れ果てた。
頻繁に漫画・映画・小説といった物語を堪能しない人にはこの作品の面白さは判らないかもしれない。しかし、数多くの作品に触れ、陳腐な内容のものであれば結末をある程度想像できるような人は楽しめるはずだ。そもそも、物語の面白さは観る側(読み手)を裏切る作者の仕掛けにあるのだから。