1stから続くコンセプトアルバムのシリーズも14年の時を経てついに完結です。
シリーズ最終作という事もあり、今までの要素を詰め込んだ保守的な作風になるのかな?
と思いきや全くの逆でした。
今作はこれまでで最も変化の大きな作品ではないでしょうか。
前作が氷の世界を表現していたのに対し、今作はタイトル通り混沌の世界を表現したようで、
内容はあらゆる意味で「カオス」になっています。
新ギタリストのトム・ヘスが加入したことからもわかるようにサウンドはダークかつヘヴィメタル色が強くなっていて、
バンドの演奏を前面に押し出した曲で構成されています。
また楽曲が個性にあふれており、静から動への急転直下な展開が印象的な2曲目、バンド初のイタリア語疾走曲3曲目、
ほとんどメロデスな6曲目など、これまで実験的に入れてきた要素を突き詰めたような曲が目立ちます。
これだけの曲を縦横無尽に歌い上げるファビオの歌唱力には脱帽せざるを得ません。
最大の特徴はメロディの展開で、構成自体はラプソディらしいシンプルなものながらも、
どの曲もメロディが目まぐるしく変わって行きます。
これは必ずしも褒め言葉ではなく、深みのある曲作りには成功しているけども、
同時に曲のキャッチーさが減退したという事でもあります。
ちなみにメロディ自体はいつも通りクサいです。
一度聴くだけで耳に残るような作品を作って来たラプソディにしては珍しく、
このアルバムは一度聴いただけではわかりづらいタイプの作品ではないかと。
以上は8曲目までの説明です。
このアルバム最大の見せ場は、エメラルドソードサーガとダークシークレットサーガのフィナーレを飾る20分の大作9曲目でしょう。
これはまさにラプソディの集大成とも言える名曲で、エメラルドサーガ時代に見せた勇壮なメロディと、
ダークシークレット時代で培ったオーケストレーションが融合した素晴らしいシンフォニックメタルになってます。
この曲を聴いていると、ファンタジー作品にこだわり続けた彼らの14年の道のりを感じます。
そして…この完結作を以って彼らの作るファンタジー作品は一旦終わりだそうです。
次回作がどんなストーリーになるのか?今後もコンセプトアルバムなのか?
早くも彼らの今後の動向が気になりますね。