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39 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
微妙です…学術書というよりは反通俗心理学キャンペーンのプロパガンダに見えます,
By 弐之宮瓶 (東京都世田谷区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: フロイト先生のウソ (文春文庫) (文庫)
タイトルこそフロイトの名前が挙げられていますが、全体を通してはフロイト心理学を起点とした「(にわか)精神分析学」や「通俗心理学(確かこの言葉は菊池聡氏の著書で知りました)」に対する批判的意見をまとめたものです。フロイトそのものの批判はカール・セーガンなどが反証可能性を検証する等詳しい批判をしていた記憶があります。 内容も著者の独自研究ではなく、主に心理学界で発表された論文や実験を元にそれを紹介するという構成になっており、心理学を知る本というよりはジャーナリズム的ルポライトという印象があります。 とにかく社会一般に流布されている通俗心理学に対する批判的意見を取り上げ、それを“きめつけ”により針小棒大に書いているように見えました。特に教育とマスメディアについて取り上げた章では『教育やマスメディアが人に影響を与えるという論証は一つも存在しない』というようなニュアンスで書かれ、あまりにも表現大袈裟過ぎると個人的には思いました。 また、それらの調査や実験に対して『この実験を行った人物は○○という結論に至っているが、この実験結果が××という事を証明してるのは明白である』という、それらの仮説を否定したいという動機からのダブルスタンダードが多く見受けられ非常に公平性を欠いた文章になっています。 また、心理学を少しでも知る人間になら常識的と言えるような部分が非常に多いです。 しかし、この書籍から価値を見出す事もできます。 一つは心理学者の菊池聡氏も主張しているように、世の中に蔓延る『心理学は何の根拠もなくでっち上げられたいかがわしい学問だ』という「通俗心理学」と学術的な裏付けのある心理学を混同しているあまり心理学に興味のない方にとっては、実際心理学ではどんな事が行われいるか具体的に把握でき、「通俗心理学」が学問を騙った都合の良い俗説の流布に過ぎないと言う事を知る事ができると思います。 もう一つは心理学者や特定の心理学の現象を名前を挙げ取り扱っているので、そこから関連書籍を探し出し、(いわばこの本の元ネタになった)研究などについて調べるのに非常に便利です。実際自分はエリザベス・ロスタフの「抑圧された記憶の神話」という良書に出会いました。 心理学について興味を持つための入門書。 心理学の特定の研究を知り、それについて調べるための目録。 という点においてはそれなりの価値があるというのが個人的な感想です。 そして、この本からは色々な意味において、「特定の主張を盲信する事の危険性」が学べると思います
32 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ま、大学に行ってれば同じようなこと考えるわな・・・・・・,
By カスタマー
レビュー対象商品: フロイト先生のウソ (文春文庫) (文庫)
心理学系の大学に通っていた(卒業してません 涙)のであらかじめ知識はあったつもりです。でも、「心理学の知識が有るからって人の心とか行動が読めると思うのは当然間違い。学問に一つに過ぎない。万能だと思うな」ということを入学した当時はまず一番に注意されました。この本は心理学を学んでて「うさん臭いなあ」と思ったことがだいたい検証されています。ドイツ語の題のまま出版してほしかったなあ。ちなみに、薬物療法より心理療法の方が危ない場合もある、というのは事実なので、興味のある人や、心理療法に化かされた経験の有る人は見てみましょう。(心理療法に救われた人でも別に読んでいいと思うけど)
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
誤解されてきた「心理学」という学問。正統派からの反撃の一つ,
By
レビュー対象商品: フロイト先生のウソ (文春文庫) (文庫)
私はかつて「心理学は科学じゃない!そもそも心理学ってあたるんですか?」という凄い非難を目撃したことがある。かように心理学という学問は、根本的なレベルで誤解されてきた歴史を持つ。 日本の場合は、海外と比較すれば、精神分析などの臨床よりも、通俗心理学の方が影響が強いという違いはあるにせよ、社会心理学や認知心理学などの本流は「心理学」という言葉の誤解によって、評判を貶められてきた歴史がある。 そのような背景のもと、20世紀中後半からは、正統派心理学の陣営から、フロイト叩きや、さまざまな弊害をもたらしていた精神分析との決別が広く喧伝され、誤解されてきた状況は改善されてきた。 本書は、そういった状況において、さらなる追い打ちとして、心理学界隈に巣食う怪しい主張を広い範囲からとりあげ、すでに撃破されている、ということを紹介する、ガイドブック的な立場として読むのが妥当に思う。 もっとも、本書の優れた点は、そういった文脈ぬきに考えても、いまだに信じている人の多い「脳は10%しか使っていない」等のヨタ話も、誤りを指摘していくため、、読み物としてもそれなりに面白い。 個人的には、ちょっと言い過ぎに感じる個所もあるけれど、それらを一蹴できるほど、情報価値もあり、読み物としても面白いため、おすすめできる一冊として評価する。
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