ヒッチコック氏の作品をあれこれ見てきて、そのアイディア・個性・魅力に舌を巻くばかりです!!!
そして、このフレンジーは、いろんな彼の映画を、画面を、面白くする工夫がいっぱいちりばめられていて、超一級のエンタテイメントだ・・・と思います。短気な男が無実の罪で裁かれたり、最後まで、また彼が犯人か、と誤解されそうになる筋書き、とか、いざとなったら守ってくれないお友達、とか・・・また、犯罪が行われているアパートや部屋を写してそのままカメラがずーっと階段を引いてきてそのまま街の通りまでつづいたり、事件が起きているはずの、想像を掻き立てる、シーンとしている2,3秒、とか・・・もう、たまりません!
真犯人を暴いてくれる刑事と、フランス料理にはまっている奥さんのやり取りも、たまりません!仕事でやってきた部下が、奥さんに薦められてマルガリータを頂く、その礼儀正しさ!!!イギリスだ・・・
大体果物商の男もスーツにネクタイで市場で仕事しているし・・・
さて、思うのですが、いくつかのヒッチコック映画において、女性が殺される、いたぶられる、というのは、良く出てくる大きな出来事です・・・彼の映画を見ていると、女性は普段気づかないで暮らしていることもあるけど、つくづくこの人の世は、男の欲望が、ものすごく氾濫している、のを、表面理性で抑えて、世の中まわっているんだなー、と思います。で、ヒッチ氏の映画では、その男の欲望が果たされるシチュエーションや場面が、しばしば出てくるし、そのときは結構念入りに描かれます・・・今回も主人公の元妻が犯人に犯されて殺されてしまう場面は、たっぷり、描かれています・・・女性は祈りの言葉で苦しみに耐えるのです・・・それが暗示的にしか描かれなければ、映画の面白さをひとつとばしてしまうことにもなると思うので、やはり必要ではありますが、ヒッチ氏が、やはりちょっと自分の欲望を映画において果たしている、面は・・・あるなー、と感じます・・・汗
そのような男の欲望も含めて、最初の美しいロンドンの景色から、8年たった夫婦の楽しいやり取り、パブや市場の生活、救済院の様子・・・などなど、この世の一つ一つが、生きていたときの思い出となるように、楽しげに撮られているようにも感じます。
ちなみに、この映画の製作発表があったときを覚えていますが、今度の映画では、ヒッチコック氏は、水死体になってテムズ川に浮くそうです・・・と発表され、びっくりしました!で、いくらなんでも水死体は作り物にします、とまた発表され、・・・その後、ヒッチ氏は、死体の野次馬のひとり、になったんですね(笑)
サイコのころ、精神病による猟奇殺人ってものがあるんだ・・・と驚いていたわけですが、今このフレンジーでは、そういうの、ごく当たり前にありうる、やだねー・・・という世の中になったわけですね・・・