97年に全米/全英共に2位を記録したアルバムです。前作『オフ・ザ・グラウンド』がバンド色を前面に押し出したパワフルな作品だったのに対し、本作のキモは全編に漂う「哀愁」。…愛妻リンダの健康状態が思わしくなかった時期だったので、ジャケットデザインからしてノスタルジックな雰囲気がプンプン。オープニングナンバーなんてワルツ調だし…。
プロデュースはジェフ・リン。お互いマルチプレイヤーだけあってほとんどのパートを二人で多重録音しています。このあたりもポールの心境がストレートに表れてしまった要因かと思われるが、同時にジェフ・リン色が強く出ている異色作といえます。
人によって評価は分かれるようですね。概ね『オフ・ザ・グラウンド』の「躍動感」が好きな方は本作に高評価を与える事は少ないようです。反面ポールのマルチプレイヤーぶりや、『タッグ・オブ・ウォー』の様なAOR路線を好む方々には評判が良い。私は後者だったので今でも頻繁に聴きます。永く聴ける作品だから星5つ。地味だけど良いアルバムです。これでシングルヒットがあれば評価も随分変ったと思うのですが…。
余談ですが、このアルバムのチャート首位到達を阻んだのはスパイス・ガールズの『SPICE』でした。もうあれから10年も経っているんですね…。歳も取るわ。