肘をついた少しアンニュイなポーズの女性の表紙、しかし写っているのは、歌人俵万智ではなく黒木香。そんな「サラダ記念日」の装丁を丸々パクった本(エロ業界の十八番!)が、「フルーツ白書」である。
狂乱バブル前夜の昭和末期に現れた、このキワモノAV女優は、その下品かつ芸術かぶれなインテリ口調と、アイテムとしての「腋毛」や貝の笛での「花電車」もどき芸等の飛び道具を用い、現役横浜国立大生という高学歴もウリにして、一世を風靡したのだった。
深夜番組などでの彼女の発言が収められた本書では、「オナニー哲学考」「ワタクシのフェラチオ論」「ワキ毛論」「SM体験考」「近親相姦考察」といった数々のエロ哲学が、怒涛のごとく炸裂し続ける。よく読めば、「老人の性に対する考察」など、所々で彼女の深い見識が伺える部分があるのだが、200ページ以上に渡り、異様な口調で語られる淫乱トークのド迫力の前では、そんなことはもうどうでもよくなってくる。
この本を読み終える頃には、彼女曰く「ワタクシの上のヴァギナからあふれ出した言葉という名の愛液のカタマリ、いわば『ヴァギナ・アイスクリーム』」と例える本書に、お腹いっぱいになること確実な一冊である。