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58 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
作品評価は星5つ,
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レビュー対象商品: フルメタル・ジャケット [Blu-ray] (Blu-ray)
画面サイズが2.35:1との事。
これはいわゆるシネスコサイズという事なのでしょう。 しかし、この作品(「時計仕掛け」や「シャイニング」等も同様)、DVDではスタンダード収録でした。 というのは、これらの作品はスタンダードサイズで撮影し、上映時に上下の黒マスクで画面をトリミングして擬似シネスコや擬似ビスタにしていた(興行上、大画面の方が好まれるという理由で)というのです。 そのため、ビデオ(DVD)化に際してはノートリミングのスタンダード収録をキューブリック自らが望んだというのです。これこそが本来の形だということなのでしょう。 ところが、今回はシネスコ収録だとの事。これはキューブリックの意思に反しているのではないでしょうか。とは言うものの複雑な心境にかられます。 その複雑な心境というのは、キューブリックの意図に反していようと、劇場公開のシネスコ版を歓迎する気持ちが私自身大きいからです。 現在では、随分と普及した横長の大型画面のテレビでスタンダードを再生すると、左右の空白が出来、画面そのものの大きさが小さくなり、従来のテレビのように画面一杯に再生することが出来ません。 キューブリックがビデオ化に際してスタンダードを望んだのは、スタンダードが本来の形だからと言うのではなくて、テレビがスタンダードサイズが主流の頃だった事を考慮して、その画面をいっぱいにして見れるようにという配慮だったのかもしれません。 キューブリック亡きあと、ことの真相は薮の中、憶測の域にすぎないのですが…。 願わくば、スタンダードサイズとシネスコの双方を収録して頂けると良かったのかもしれません。 作品そのものは間違いなく星5つです。 国家や思想などの頸城から離れ、ヒューマニズムや大義を一切排し、戦争の愚かさ、戦争をしてしまう人間いうものを 冷徹なまでに突き放して描いた特筆すべき一本です。 その突き放し方の徹底が感情移入を許さず、カタルシスは皆無。 人間はどんな残酷なシーンでも、描き方一つで、それがカタルシスに繋がってしまいます。戦争の悲惨さを描きつつ、暴力描写にカタルシスを感じさせてしまいかねないのです(地獄の黙示録のワルキューレの騎行をバックに殺戮するシーンなど)。キューブリックは慎重さをもって戦争映画からカタルシスを排除する事に成功しました。その凄さをジックリ楽しんで頂きたい。 感情移入が出来ない事。カタルシスが無い事が、この作品の褒め言葉なのです。
18 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
作品自体は星五つのおすすめ!,
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レビュー対象商品: フルメタル・ジャケット [Blu-ray] (Blu-ray)
馬鹿高いBOXセット発売から半年。いよいよ単体での発売が決定した。
いずれは出るとわかって待っていたが、やはりこういったファン無視の販売方式には合点がいかない。 この不況の中、企業イメージやBlu-rayの将来を考えると、純粋な映画好きの憂いが深まるだけである。 さて、本作のテーマは「一人の兵士ができあがるまで」を淡々と、サスペンスタッチに描くことにある。 ヴェトナム戦争を舞台としながら、前半はアメリカ国内での非人間的なブート・キャンプの様子を執拗に描き、後半はジャングルではなく都市部の戦場を閉塞的に描いている。 そのことだけでも他の戦争映画とは一線を画すが、作者の意図としては、よい兵隊とは純粋な殺戮者であり、人間性がそぎ落とされてこそ戦場では価値があることを示すことにある。「フル・メタル・ジャケット」とは完全武装の兵士を指すのではなく、内面こそが殺人ロボット化された一兵士や軍隊のことだろう。 従って、どの時代の何の戦争でもあてはまる普遍性を目指したところがキューブリックらしい。徹底的にヒューマニズムを廃した、一筋縄ではいかない強烈な皮肉を込めた反戦映画でもある。
4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
映画が主張であることを示したキューブリックの代表作,
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レビュー対象商品: フルメタル・ジャケット [Blu-ray] (Blu-ray)
映画は1987年6月26日公開。スタンリー・キューブリックは、『2001年宇宙の旅(1968年)』でSFを、『シャイニング(1980年)』でホラーを正に魁て作ってきたが、ベトナム戦争をキューブリック流にとらえた作品が本作と言えると思う。ただリリースの時期とキューブリック流が強すぎて、『プラトーン』(『フルメタル』の前に公開)と何かと比較され、大ヒットとオスカー受賞を逃したことも事実だろう。
しかしぼくはこの作品を高く評価したい。『プラトーン』など足元にも及ばない意思と表現がこの作品にはある。まず、主人公とも言えるマシュー・モディーン(最近『トランスポーター2』で運ばれる子供の父役で出てきてかなり懐かしかったよ、リュック・ベッソン)演ずるジョーカーは、わざとジョン・レノンに意図的に似せ、ピース・バッジと『Born to Kill』のヘルメットをかぶらせて、ユングの二重人格を演じさせるあたり、やはりキューブリックは只者ではない。そして好演しているヴィンセント・ドノフリオ演ずる『デブ』とリー・アーメイ演ずる『ハートマン軍曹』の前半部分はまさに戦争において不必要なものは何で、そのために国は人の何を奪い取るか、そしてその結果どうなるのか、をキューブリック流に見事に具現化している。 どこまでもどこまでも人間性を無くしていく様を描く。それがキューブリック流の『反戦』である。これが海軍だ、これがベトナムだ、これが戦争だ、とキューブリックは観るものに突きつける。鈍感な観る者も戦争でなくすものが見える。映画が主張であることを示したキューブリックの代表作だ。
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