表題を含む5編からなる小川一水の第2短編集。
5編の内の1編「Live me ME.」について
事故のため限りなく「脳死」に近い状態になった彼女は、最新の医療科学により「私」という「意識」を保っていた。そして彼女は、やがて「私の意識」で操れる「人工の肉体」を得た。「昏睡する私」を介護する「私」は・・・。
最近の調査では、「人間の意識(こころ?)」は、実際の行動より0.5秒遅れて発生しているそうだ(「意識」より「行動(無意識)」のほうが0.5秒早いと言うべきか?)。
我々は、"自分が考えて行動している"と思い込んでいるとのこと。更に「私という意識」は、生きている限り「連続している」と思っているが、「養老孟司」センセに言わせると、それも「そう思い込んでいるだけ」とのこと(”昨日と今日とで人間は違う”んだから、寝て、起きて意識が一旦断線した「私」が同じハズがないじゃん、とのこと)。
「私」ってなんだろう?「意識」や「こころ」ってなんだろう?
普段当たり前だと思っていることが、グラついて思える「不安定感」が「SF(!)」の醍醐味(のひとつ)だと思う自分には、十分楽しめた作品でした。
この他の4編も良作です。「アルワラの潮の音(ね)」は書き下ろしです←「時砂の王」のスピンオフ。