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16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「私」という意識。,
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レビュー対象商品: フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA) (文庫)
表題を含む5編からなる小川一水の第2短編集。5編の内の1編「Live me ME.」について 事故のため限りなく「脳死」に近い状態になった彼女は、最新の医療科学により「私」という「意識」を保っていた。そして彼女は、やがて「私の意識」で操れる「人工の肉体」を得た。「昏睡する私」を介護する「私」は・・・。 最近の調査では、「人間の意識(こころ?)」は、実際の行動より0.5秒遅れて発生しているそうだ(「意識」より「行動(無意識)」のほうが0.5秒早いと言うべきか?)。 我々は、"自分が考えて行動している"と思い込んでいるとのこと。更に「私という意識」は、生きている限り「連続している」と思っているが、「養老孟司」センセに言わせると、それも「そう思い込んでいるだけ」とのこと(”昨日と今日とで人間は違う”んだから、寝て、起きて意識が一旦断線した「私」が同じハズがないじゃん、とのこと)。 「私」ってなんだろう?「意識」や「こころ」ってなんだろう? 普段当たり前だと思っていることが、グラついて思える「不安定感」が「SF(!)」の醍醐味(のひとつ)だと思う自分には、十分楽しめた作品でした。 この他の4編も良作です。「アルワラの潮の音(ね)」は書き下ろしです←「時砂の王」のスピンオフ。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
今の私が消滅しても,
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レビュー対象商品: フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA) (文庫)
「誓って以前のあなたと同じあなたよ」これ、表題作の、火星の氷冠に生息していたエイリアンのセリフ。 侵食される前と後の主体の同一性はきっと証明できないと思うけど、とっても魅力的な一節。 昨日の私と今日の私が同じ私なのか、現在の延長をはるかに超えた技術の産物として脳を忠実に トレースして再現された私は私なのか、物質電送機のミスで電送先に再構成されてしまったもう一人 の私は私なのか、この私が死んでしまって再構成された私が復活しても、それは私なのか、チューリング テストをパスする中国語の部屋が、全体システムとして私の出力を真似し、それを私の知人や肉親が 私と区別できなければ、そのシステムは私なのか。 複数の分野をまたいで、非常に長く議論されるテーマですが、やっぱり私は、私とそっくりな反応をする 何物かがあったとして、それを私と客観的に区別できない、というところまでは同意できても、それはや はりこの私ではない、としか思えません(しかし、この私と、客観的にこの私と区別できない何かが、そも そも区別できるという前提すら疑問だったりして懊悩中)。 それでも、この私にとって私だと納得しているこの私が、今のこの私とは別の者になってしまうのであって も、それでも人間が人間の創り出す技術によって、この人間を超えて(倫理的方向性は不問として) 変化していくことに、積極的に肯定的です。 人間は、その限界も哀しさも愚かさも含んで、それで人間なのだというお話しを知らないわけじゃないけ れど(本当にその「愚かさ」をわかって言っているのか、とか軽くツッコんでみたりしつつ)、日々の平凡な 喜怒哀楽にこそ大事だという価値も非常に了解ではあるけれど、それでも、個人的には、人類が、当 の人類の産み出した技術によって、人類以外のものに変異していくことには肯定的。 表題作の他の作品にも、この「私」がこの「身体」やこの「社会」に依存しない・ないし支援されない場合 の思考実験に満ちているように読めます。 そんなことを普段から考えているわけじゃないけど、本書に無理矢理思い出させられ中。 これSFの醍醐味でございましたよ。
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
笑った,
By どす恋 (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA) (文庫)
現実が小説を追い抜いた。「Slowlife in Starship」に、探査機はやぶさが出てくる。 2010年6 月13日22時51分に、約60億キロを旅して地球に帰還した探査機「はやぶさ」だ。 作中ではマシントラブルで帰還できなかった残念メカとして描かれており、 些細なことでも真剣にやるものだという暗喩として使われている。 執筆時点では「はやぶさ」は行方不明になったという発表があったのだろう。 しかし現実は、スタッフの努力と根性、「はやぶさ」自身の神懸かった機動により 困難を乗り越え地球に帰還、しかも小惑星のサンプルというおまけ付きで。 短編はイマイチだったが、こうやって現実が小説を追い抜いてしまった瞬間が見られて 大いに笑わせてもらった。 未来ネタは難しいね。
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