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フリーターにとって「自由」とは何か
 
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フリーターにとって「自由」とは何か [単行本]

杉田 俊介
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

私たちは、もっと怒っていい。その怒りを社会に投げつけていい。労働の現場から生まれた渾身のフリーター論。たたかいは、これからだ。

内容(「BOOK」データベースより)

労働の現場から生まれた渾身のフリーター論。ブログで話題!「フリーターに関する20のテーゼ」付。

登録情報

  • 単行本: 218ページ
  • 出版社: 人文書院 (2005/10)
  • ISBN-10: 4409240722
  • ISBN-13: 978-4409240724
  • 発売日: 2005/10
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
  

 この本の特徴を一言で言えば、フリーター自身の筆による「フリーター階層の権利宣言」ということになろうか。著者は、1975年生まれというから団塊Jrそのものだ。大学院を修了しているので、一般的にイメージされる「フリーター」とはちょっと立場が異なるかも知れない。だが、魂はまぎれもなく「フリーター」だ。

 本書の主張が、他の類書とくらべて傑出しているのは、フリーターの存在を「困ったもの」、そこから「脱出させてやるべきもの」という考えを退けて、「フリーターがフリーターのままでも生きていける社会をめざす」と宣言していることだ。この点が(名前をあげて恐縮だが)他の売れ筋の本(『希望格差社会』や『下流社会』)とはひと味もふた味も違うところだ。

 そう言い切る著者には、ある信念がある。それは「存在の価値」は「経済的な価値」や「自立の価値」に優先する、という考えだ。ちょっと難しそだが、こういうことだ。

 「たかがお金がない、安定した仕事がない、経済能力がない、それらの不足と欠損が、あなたが『生きる価値がない』ことを意味することは絶対にない、絶対に。」(p14)

 「フリーター」だけではい。「生きる価値がない」という眼差しを、日々むけられている全ての者たちへのエールの本なのだ。

 「格差社会」が流行語(ブーム)になり、それに便乗して数多の本がでている。相変わらず「若者の労働意欲のなさ」をバッシングするものが多いが、最近は、企業側の採用政策に問題があると、正しく指摘をするものも増えてきた。(例えば『「ニート」って言うな』)。だが、そうした論者の多くも、今後については、学校での「職業教育」の重視や、個人の「能力開発」を公がサポートする体制の整備を提言するにとどまっている。

 「たとえ能力が無くとも、そこそこ生きていける社会」という著者の「宣言」を、いささか眩しく感じるとすれば、それは、闇がまだ深いことの逆の証明なのかも知れない。
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
本書の主張は、表紙の裏で引用されている次の歌の歌詞に象徴されている、とも言えるだろう。
「弱い者たちが夕暮れ さらに弱い者を叩く(ザ・ブルーハーツ『TRAIN-TRAIN』)」
「子供達を加害者に 被害者にもせずに この街で暮らすため まず何をすべきだろう?(Mr.children『タガタメ』)」

階層、身分としてのフリーターが、自分達よりはやや恵まれてはいても基本的には「弱者」である人々(例えば若年正社員)や、自分達よりもさらに弱い立場にある人々(例えば外国人労働者、障害者)からさらに収奪するのではなく、そうした人々と連帯し「真に戦うべき敵」と戦うための、まさに革命の書である。
刺激的な論考だし、学ぶべき点も多いと思う。特に第三部の「フリーターに関する20のテーゼ」は必読である。

しかし、問題がないわけではない。
一つは(それが魅力でもあるのだが)空間的、時間的な大風呂敷を広げすぎと思われる点。著者は国内の「弱者」のみならず、南北問題や第三世界の労働者との「共闘」まで視野に入れている。また、「30年後、50年後の世界をどう作るか」というところまで話を広げている。気持ちはわかるが、今、目の前の現実を改善するための具体的なアイデアもなしに、いきなり壮大な話をされても、ある種のロマンティシズムは満足できても、現実のフリーターに対する訴求力については疑問がある。
もう一つは、著者の「知」に対する未練のせいか、持って回った晦渋な表現が目立つ点。これもまた、生活、生存の為に忙しく働く多くの人々への訴求力を減じていると思われる。
惜しい、というのが正直な感想である。
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39 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:単行本
今年は特に若年失業問題がクローズアップされ、「ニート」という新語も流通しましたが、マスコミや世間の熱に浮かされたような反応に私は違和感を感じています。フリーターやニートとして析出された人々は、積極的に社会に害悪を与えているわけではないにもかかわらず、今比較的安全な場所を確保できている人々から「社会のお荷物になるけしからん連中」、もしくは「我々と同じ生き方ができない可哀想な連中」と見なされている嫌いがあります。

学者が怪しげな統計を持ち出してこようと、企業経営者が競争原理や自己責任論を振りかざそうと、自らの良識を自認する「大人」たちがご高説を並べようと、彼らはこの問題の当事者ではないのです。低賃金の長時間労働ですり減らされていく人々は彼らの視界の外にいて、倒れても死んでも彼らは痛くも痒くもないのですから、結局は他人事なのです。

本書はそういう意味での「まとも」で「善良」なマジョリティが眉間に皺を寄せて当事者のふりをするものではありません。たまさか恵まれた境遇にある人々が、その条件を整備したあれやこれやの偶然性を棚に上げて、自分と異なる局面を生きる人々に批判の礫を投げつけることほど下品なことはありません。また、みんな社会が悪いんだ、と地団駄を踏んでヒステリックな金切り声をあげ、結局自分自身の責任を放棄するという陥穽も警戒します。そのうえで、この社会に対する違和感を適当にごまかして、多数派の設計した社会にうまく適応している人々の軍門に降りていくことなく、当事者として戦い続けようとする。今のところ、若年失業問題を扱った書籍としては、当事者についてもっとも真剣に考察した一冊です。

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