"「この通り、許してください!」
と、フローリングの床に額をこすりつけた。夢を見ているようだった。昼ドラで見たことある、と友美は思った。"
黒いバックに定規で書いたような赤いカタカナの「フリン」の文字。
同じ色合いの帯を読んで、ちょっと興味を持ったので手にとってみました。
不倫関係を素材に同じ「リバーサイドマンション」に住む住民で描いた短編集。
不倫の真っ最中のもの、始まろうとするもの、妄想、過去のもの、それぞれ違ったシチュエーションの物語だけど、どれも消化不良。帯に書かれているような"反道徳小説"というほど眉をひそめるような物語も少なく、寧ろもっとドロドロとした書き口で良かったんやないかなぁと思いました。
最後の短編「二人三脚」は、リバーサイドマンションの管理人の老夫婦の物語なんですが、その話を聞いている他編の登場人物たちの発言がそれぞれの考え方を示しているんですが、これがあまり気持ちよいものじゃなかったなぁ。まぁ、"フリン"がそういうものだと言うたらそれまでなんやろうけど。