『鏡家サーガシリーズ』の1作目で,
01年07月のノベルス作品の文庫化.
第21回メフィスト賞の受賞作で,著者のデビュー作にもあたる作品です.
アニメなどを元にしたユーモアは,物語の陰惨さとの対比もあって印象的なのですが,
あまりにもたくさんで理解できないものも多いため,さすがにうんざりしてしまいます.
また,『壊れている』『狂っている』という表現が何度も出てくるのが気になるところで,
確かにそう感じるところはあるものの,繰り返されることで却って安っぽくなっているよう.
ほかにも,ミステリなんて完全無視とも言わんばかりのメチャクチャな真相とその後日談,
また詰めの甘さであったり,投げっぱなしになっていることなど,いろいろ引っかかります.
ただ,それらが霞んでしまうほどの『突き抜けるような勢い』を感じてしまうのもまた事実で,
粗っぽいところは多々あるものの,もう少し読んでみたいと思わせられる作家さん,作品でした.
文庫化に際しての加筆修正については,巻末に明示的な記述は見あたりませんでしたが,
あとがき(文庫版のみ)に,「加筆修正をほどこした」と著者自らのコメントがあります.
(例えば,
ノベルス版の刊行時にはないはずのもの(ハルヒなど)が描かれていたりします)