メルビッシュ音楽祭とはオペレッタ専門の音楽祭でオーストリアの湖畔の野外ステージが舞台である。メリー・ウィドウといえば、20数年前のウィーン・フォルクスオーパー来日公演の映像を記憶しているが、いかにもオペレッタ専門の歌劇団のこじゃれた楽しいステージで、それ以来、なかなかそれに匹敵する映像にお目にかかれなかった(オペレッタ自体の映像が「こうもり」以外極端に少ないのも事実)
今回も実はだめもとで購入したのだが、うれしい誤算で、ずいぶんフォルクスオーパーの雰囲気がするなとおもったら、この音楽祭の総監督がフォルクスオーパー出身、出演陣ものきなみフォルクスオーパー所属ではないか。野外という特殊な舞台だが、やっとこのオペレッタも標準として薦められる映像に出会った。
その野外舞台だが、横幅も奥行きもかなり広く、それを生かした演出がなされている。随所にダンサー陣が、舞台を壊さない品のよさで、歌手の後ろで踊っていたり、主役二人が自転車の二人乗りをする場面もある。客席と舞台の間には幅広い水路があり、ボートがうかんでいたりして、なかなか楽しめる。そもそも、このオペレッタは20世紀初頭の作品で、随所にこんにちのミュージカルへの萌芽が見られ(女のマーチ等)実は、音楽史の観点から見ても、オペラとミュージカルの橋渡し的な重要性を持っている(と個人的に思っている)
PS.1点だけ苦言、主役の彼女が、彼が今も自分を愛していると確信するシーンの字幕が誤訳っぽい。ここではっきり語らせないと、なぜ彼女がうれしそうに歌うのか、さっぱりわからなくなる。