ニューヨーク・フィルハーモニックとの共演。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲ではレナード・バーンスタインが伴奏指揮を担当し、ラロのスペイン交響曲ではディミトリ・ミトロプロスが伴奏指揮を担当している。
ミトロプロスは、バーンスタインの前のニューヨーク・フィルハーモニックの首席指揮者で、彼が常任指揮者の時は、まだニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団と呼ばれていたのだった。
独奏のジノ・フランチェスカッティは、フランスのヴァイオリニストだが、パリ音楽院にはいかず、パガニーニの孫弟子にあたる父親と、その父親の弟子だった母親の薫陶を受けて育った人だった。
親しみやすく、美しい歌い口が魅力のヴァイオリニストである。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、その音楽づくりに哲学的思弁性は感じられないものの、そのようなウジウジとした内面性を払いのける風通しの良さが魅力だ。
バーンスタインのダイナミックな伴奏と明朗なフランチェスカッティのヴァイオリンが見事に共鳴し、スカッとした音楽を聴かせてくれる。
ラロのスペイン交響曲は、まだサラサーテによる第3楽章の省略が正統と見なされていた時代の録音なため、短縮的4楽章構成での録音になっているところが、原典尊重派にとってのマイナス要因となっている。
伴奏指揮でのミトロプロスは、全身全霊の力でソリストと渡り合う人であり、この録音でもその姿勢を崩していない。
鳴りのいい、キビキビとしたオーケストラの伴奏に乗って、フランチェスカッティのヴァイオリンが引き締まっている。
ラテン的に明るい演奏スタイルが、曲とマッチしており、なるほど、この曲の名盤として広く語り継がれてきたのも分かる気がする。