ディスク4枚のBoxです
1.「突然炎のごとく」
2.「恋のエチュード」
3.「柔らかい肌」
4.「私のように美しい娘」
【突然炎のごとく】1961年 ★★★★★
アンリ=ピエール・ロシェ原作『ジュールとジム』の映画化。長編第三作目。
パリで出会ったジュール(オスカー・ウェルナー)とジム(アンリ・セール)。二人の前に「天の啓示のように」現れるカトリーヌ(ジャンヌ・モロー)。三人の『愛』の世界を「ナレーション」とジョルジュ・ドルリューの音楽、そして小気味良い躍動感あふれる映像でテンポよく流れるように描いています。現実味の希薄な三人の関係(トリュフォーはあえてフィジックな面を描かなかったとインタビューで語っています。)のせいか後味が爽やかで、一種神話のような美しさのある作品です。
【恋のエチュード】1971年 ★★★★★
『突然炎のごとく』と同じくアンリ=ピエール・ロシェ原作小説の映画化。
19世紀末。パリとイギリスの海辺の小さな村を舞台に、フランス人男性(ジャン=ピエール・レオー)とイギリス人姉妹(キカ・マーカム/ステーシー・テンデター)の7年間(後日談を加えて15年間)に渡る錯綜する恋の物語。緊迫感を高めるジョルジュ・ドルリューの絶妙な音楽。ネストール・アルメンドロスの自然光による撮影の美しさ。細やかな感情を表現する三人の演技が素晴らしい美しい作品ですが、姉妹の最終的なけじめの着け方が厳しく、たいへんに重い内容です。
【柔らかい肌】1964年 ★★★★★
ヒッチコックの作品を彷彿とさせる緻密なカットの積み重ねが印象的です。妻子ある中年男性ピエール(ジャン・ドサイ)と若く美しいニコル(フランソワーズ・ドルレアック)との不倫をスピーディーなサスペンスタッチで描いています。非常に品のある冷静な描写でラストに向かい緊迫感が高まります。セリフが少なく的確な映像とジョルジュ・ドルリューの音楽で効果的に状況を説明しています。(F,ドルレアックはカトリーヌ・ドヌーヴの姉です。)
☆夫妻の幼い娘カロリーヌを演じるサビーヌちゃんは『突然炎のごとく』にも出演しています。
☆一カ所同監督『アメリカの夜』『恋愛日記』でも全く同じシーンが見られます。映画通の方であれば更に発見があると思います。
【私のように美しい娘】1972年 ★★★★〜★★★★★(見る時の体調によって変わります。)
『恋のエチュード』の次に作られた作品です。『恋のエチュード』がたいへん重い作品だったのでバランスをとるために軽妙な作品をと、このコメディを作ったそうです。原作小説を読み監督は抱腹絶倒したとのこと。そしてヒロインにはベルナデット・ラフォン以外いないと思ったのだそうです。ラフォンはトリュフォー監督の短編第一作『あこがれ』に出演時とても瑞々しい美しさが印象的でしたが.....。本作でイメージが完全に覆されました。美しいのですが、たいへんな「あばずれ」という役どころで、それはもう凄いです。早口でまくしたてるせいかフランス語がイタリア語に聞こえます(笑)。
【総合的に】
特典映像、解説と豊富です。画質はおおむね良好ですが、ところどころ丸いゴミのようなものが見られる作品もあります。個人的には鑑賞にあたってそれほど気にはなりませんでしたが.....。