ディスク4枚のBoxです。
1.「あこがれ」「大人は判ってくれない」
2.「アントワーヌとコレット」「夜霧の恋人たち」
3.「家庭」
4.「逃げ去る恋」
【あこがれ】
モノクロの本格短編処女作品です。ジェラール・ブラン、ベルナデット・ラフォン主演の南仏の田舎町を舞台に大変美しい作品です。作品自体もですが、主演女優ベルナデット・ラフォンの「みずみずしさ」が魅力的です。悪ガキたちが、彼女にあこがれ何かといたずらをしかけます。子供たちの、演技とは思えないのびのびした様子が楽しい作品で、後の『トリュフオーの思春期』を彷彿とさせます。(17分)
【大人は判ってくれない】
哀愁をおびたメロディーのながれる中、エッフェル塔を遠くにパリの街並をぐるぐると写す冒頭から、一気に引き込まれるトリュフォーの長編処女作品です。(あまり幸せではなかった子供時代の自伝的作品です。)
本作品のためにオーディションで選ばれた、ジャン=ピエール・ レオー(当時14歳)が主人公「アントワーヌ・ドワネル」を演じ、作品の成功に大きく貢献していると思われます。映画製作に加わる事自体が楽しくてしかたがなかったのではないでしょうか。とても生き生きとした演技です。「ジャン・コンスタンタン」の楽曲がとても印象的です。
特典映像はオーディション時のレオーの様子、トリュフォーの演技指導の方法など、とても充実しています。
『あこがれ・大人は判ってくれない』『大人は判ってくれない』などのDVDレビュー欄に多くの素晴らしいレビュー がUPされています。そちらも参考になさってください。
【以下2.〜4.について】
全て、上記『大人は判ってくれない』のジャン=ピエール・レオー主演作品です。本人の成長と映画の主人公「アントワーヌ・ドワネル」の成長がシンクロする。という面白い試みの作品群です。
初恋に始まり、いくつかの職業と恋愛を経て結婚。子供も誕生します。その後もなにかと波乱を含んだ、なんとも不器用で子供っぽいロマンチストの「ドワネル」の物語がつづきます。
『夜霧の恋人たち』にはデルフィーヌ・セイリグ(『去年マリエンバートで(アラン・レネ)』『ブルジョワジーの密かな愉しみ(ルイス・ブニュエ ル)』他)が出演しています。ドワネルが一瞬にして心を奪われてしまう、魅力的な年上の女性を演じていますが、ドワネルの気持ちがわかる素敵な女優さんです。
この4作品はドワネル(レオー)を甥っ子かなにかの成長をハラハラしながら見守るような楽しさがありますが、多少解せない部分もあり、またファン(ドワネルの)ではない方にはどの程度楽しんでいただけるのかわかりません。私はとても楽しかったのですが・・・。全体に小粒な作品でトリュフォーらしいしゃれた味わいがあります。またパリの街の風情を楽しむこともできます。
ヌーヴェルヴァーグの映画に詳しい方であれば、細かなところにトリュフォーのお友達(ジャック・リヴェット、エリック・ロメール、ジャン=リュック・ゴダールなど)へのエールや目配せを見つけられるみたいですよ。私はゆっくり探すことにします。
※このDVDの音質、画質はまあまあですが、特典がとても充実している点がおすすめです。
※トリュフォー作品は、年に3回くらい、wowowでオンエアされますが、「大人は判ってくれない」に関しては、オンエアの画質、音質はかなり良いように感じます。(きっちり見比べたわけではありませんが。)