ミシュレのこの本が高評価なのは当然としても、この本自体には高い評価は与えたくない。
もともとは「世界の名著」(昔図書館によくありました。古書店でもよく見かけます)の一冊として収められてい
たものでした。今回それを改めて文庫化したわですが、結局のところ、抄訳+リライト要約版(ミシュレ本人
が書いたものを訳したのは二割程度)のままなわけです。40年も経っているのだから単純に文庫化してしまう
だけっていうのは如何なものでしょう?40年前は要約せざるを得なかった事情をそのまま今に引きずる必
要はないと思うのですが。何といっても生誕200年を記念して1998年には「ミシュレ伝」も翻訳されていると
いうのに・・・
もし、これが筑摩学芸文庫や岩波文庫だったらまちがいなく全巻翻訳して文庫で出版していたと思うので
(そして間違いなく自分は買っていたので)、ひどく残念です。
マチエの「フランス大革命」より遥にいいと思うんですけどね。