とても綺麗な色刷りの肖像画が気に入って、ちょうど同著者の「小説フランス革命」を読もうとしていた矢先だったのでさっそく購入しました。
まずは、フランス革命に関連した主要人物たちのカラー肖像画がとても綺麗なことに驚き感動しました。一般的な歴史書(教科書も含め)ではマリー・アントワネットやロベスピエールの肖像くらいは載せていますが、ほとんどの場合、白黒のものしか見たことがありませんでした。しかし、カラーとは比べものになりませんね。白黒では伝わってこなかった、その人物たちの息吹や人と成りが伝わってきます(日本史でも、源頼朝や、豊臣秀吉の肖像画がすぐ頭に浮かびますが、カラーの絵画だからこそそうなのであって、白黒しか見ていなかったらそうではないのかななどと思いました)。
それくらい、カラーの肖像画は説得性があります。
この本では著者が各々の肖像画に合わせて、人物の印象や特徴についてコメントしているという形式です。たしか、以前に塩野七海さんが、歴史上の英雄について論じたエッセイで、カラーの肖像画を載せていたものがあったかと思いますが、あちらは文章が中心で、この本は画像が中心です。その分、文章は少ないので、この本を読んだだけではフランス革命の概要はつかむことは難しいでしょう。
個人的に気に入った肖像は、タリアン夫人です。なにやら胸の大きくはだけた服を着ていて、左胸が全てあらわになっている姿にも驚かされましたが、さらに驚かされたはその妖しげなふたつの瞳です。この出立ちにこの目を見れば、なるほどこういう人なら、あのくらいのことは平気でやらかすだろうな、という説得力がありました。この他に、猪八戒のような風貌のダントンやサンジュストのイケメンなど見所が多い本です。フランス革命期の人物に興味がある人にとっては買っても損は無いと思います。