「これが保守主義である。しかもそれは品位がある」−アーネスト・バーカー
半澤氏の名訳により、みすず書房版もまた原書のように品位に満ちています。
私は、歪められた保守主義の軌道修正のためにも、この本が今こそ読まれるべき
であると確信しています。
エドマンド・バークは、保守主義が守るべき伝統として、英国におけるいくつかの
伝統を挙げています。そして、フランスにおいても守るべき伝統は当然あったので
あり、フランス革命は「伝統の破壊」であったのだと喝破しています。
ところが、同時に、保守主義とは全てを保守するのではなく、漸進的な改革なら是認
するものともしています。一番恐ろしいものは、バークによれば、「中国的停滞」です。
急進的な改革も、単なる守旧も、停滞を招くということでしょう。だから、バークは
漸進的な改革を良しとするのだと私は考えます。
保守主義という言葉は、今や自己肯定、言論闘争、様々な政治的喧伝のための道具に
成り下がってしまったかのようです。各々が違った定義を声高に叫んでいます。
今こそ原典を読み返して、保守主義の出発点を学ぶべきだと私は考えます。