近年発表された医療SFブラックコメディでは一番面白かった連作読み切り短篇式の漫画、惜しくも最終巻です。
掲載誌チャンピオンRED誌内屈指のストーリーテラーである木々津氏のアイデアが枯渇した訳では無さそうなので、何かのテコ入れかもしれませんが残念です。
但し、読み切りとは言え、舞台背景や登場人物の多くがレギュラーとセミ・レギュラーになった為、継続した読者の方がより楽しめるエピソードが増えていました。
江戸川乱歩の有名作に木々津風アレンジを加えた「THE PANORAMIC ISLAND」前後篇。
某テーマパークをモデルにしてそこに現れるキグルミにもし中の人が存在しなければ…というイメージを拡大させたシリーズ「ROLLING WORLD」
木々津風血液型信奉へのブラックな解釈と臓器移植用人間(?)アドレアの無面目風個性を絶妙に混ぜ合わせた傑作エピソード「BLOODY TYPE」
某特撮ヒーロー物の黒いパロディ、センチネルを三度主人公にした「VENGEANECE」
本作の萌え担当全身武器娘ヴェロニカのちょっと泣かせるエピソード(でも黒い)「FLUORITE」
分離脳をテーマにし、狂言回し的役柄が多かったふらんが珍しく主役を演じる「RIGHT & LEFT」
そして、某巨匠の医療漫画最終回を模したグランドフィナーレ「DREAM」等佳作揃い。
特に実質的最終回の「RIGHT & LEFT」は最近の木々津氏作品に共通する正邪入り混じったカオスな世界の肯定が描かれて居りファンなら必見です。
オマケとして斑木三姉妹(表紙の3人)を主役とした掌編「CURTAIN CALL」、表紙を外すと現れるイラストと作者による各エピソードの一言解説が収録されています。
またどこかでふらん達に逢える事を祈っています。