「このミス」で1位に輝くなど、すこぶる評判の良かった前作「犬の力」。
しかし個人的には物足りないものでした。
ストーリーも壮大で、確かに面白いのですが…ウィンズロウの作品の中にある個人的に大好きな部分をあまり感じ取れなかったからだと思います。
それが何であったのかを、本書「フランキー・マシーンの冬」が教えてくれました。
ふとしたしぐさや、他人にはどうでも良いこだわり、本筋とは関係のない会話など…キャラクターや街の小さな描写、ディテールをユーモアを忘れずに描く。
それこそウィンズロウが他の作家より私好みの作家な理由だと気づきました。
この作品には、そんな「ウィンズロウらしさ」が前作より詰まっています。
もちろん、導入部から読者を魅了する上手さや、後半の真相が明らかになっていくスリリングな展開も全く見事で、本筋の方も抜かりはありません。
殺伐として、救いようが無い印象の前作より、殺伐とはしていますが、どこかユーモラスで楽しい本作の方が個人的には好きでした。
映像が浮かぶ作品づくりが上手い作家ですが、本書は特に「映画化して欲しい」ものでした。
とにかく次の作品が待ち遠しいです。