ショッピングや本の貸し借り、それに低予算のクリスマス会。本当にこの人は他の漫画家がうまく描けない、ありふれた風景を描くことが上手い。ただそれだけの出来事からキャラの心理をとても深く掘り下げ、ひとりひとりの気持ちをおざなりにすることがない。人間をよく知っているのでしょう。相変わらず漫画におけるお約束がたくさん入ってるけれど、それでもどこかリアルだと思わせてしまう。これは簡単なようでなかなかできることではないと思います。
今巻はどうしても主役の春太郎の側より真島や滋の方に焦点が当たっている感が否めませんが、この漫画は特定の到達点がない、いわば過程に本質を置いている漫画なので、こうした展開もありでしょう。こうした物語運びが学園ものという形式ととても相性がいいのだと思います。きっと次の巻からも、いろんなキャラの広がりのある話を見せてくれることでしょう。まだまだわからない、あのキャラこのキャラの背景を楽しみにしつつ、既刊を読み返すとします。