「現地の言葉を理解できず、誰にも省みられず、いつも腹を空かせながら、地を這うような視線でフットボールの匂いがする場所を捜し求めている」からフットボールの犬。いい題名だ。
サッカーを通して各国の文化を垣間見る、また、各国の文化がどのようにサッカーに反映されているかを書いたノンフィクションには、木村元彦の
蹴る群れ等があり、そんなに目新しい試みではない。
それでも、この本により強くフットボールの匂いが漂っているのは、視線が市井のレベルまでぐっと下がって、その国のサッカーの日常、わが街のクラブを捉えているからだろう。
「写真家だが、写真だけでは食えないので、モノ書きも兼任している」というのもいい。写真は流石。見るだけで楽しい。また、兼任としているだけに文章に変に力が入っていないので、犬の目線でみたフットボールが素直に伝わってくる気がする。