一昨年のNHKジャパンデビュー抗議デモ、四度にわたる尖閣デモ、そして昨年のフジ
韓流ごり押し反対デモに最前線で参加した著者のドキュメントである。一介のアニヲタ・
ミリヲタでしかなかった著者は、NHKの某番組で一躍"有名な素人"になり、その後は
若手保守活動家として盛んな活躍をみせている。その著者が詳述するデモの実際は、
読みながらこっちも飛び入り参加したくなるくらいのアツさがある。組織やカネで集める
左翼のデモと異なり、参加者は誰もが普通の人々であり、手弁当でやってくる。だが
その憤激は本物だ。著者は時にアジり、時に身体を張って傲慢なメディアと対決する。
いずれのデモもネットを通して観てはいた。だが媒体はその様を観せることはできるが、
熱気までは伝えてくれない。あらためて参加した者だけが分かるデモの意義を再認識
した次第である。ほかに著者が直接参加していない花王デモとその課題にも触れたり、
実際にデモに参加した市井の人々にインタビューも試みている。面白かったのは護憲
主義者を装って左翼デモに参加し、その有様もつぶさに分析しているところだ。保守の
それと大きく違い、"イメージ"で動いているだけ、知識ゼロであることに著者は呆れて
いる。本書の唯一の汚点は山野車輪氏とサーチナの在日女性記者へのインタビュー。
このふたりはフジデモが何を目的としたものか全然わかっていない。頓珍漢な見解の
前に、デモ参加者の声を聞いてみるべきだったろう。だが、総合的には楽しく読めた。