私は生物を扱う職種なので、
かねがね本を書いてみたいと思っていた
書店でこの本を見かけた時に
「フジツボの本なんかがあるのなら、私にだって」と
張り合うような気持ちで購入したのが切っ掛けであった
ところが、読み終わる前に「フジツボなんて」とか、「私にも書ける」と思った気持ちは、
遥かかなたに消え去っていた
それだけでなく、著者の優しい文体に
トゲトゲしていた私の心は癒され、不思議な暖かさに包まれているのだ
誰にでもできることではない
悔しいけれど、素直にこの本の魅力を認めることにしよう
大手新聞各紙で絶賛されていることも知り、さらに納得した
自然科学書は山ほどよんでいるが、こんなにも感銘を受けた本はこれまでなかった
思いがけない効果に、自分でも驚くばかり
しかも、それがフジツボの本だったという点がすごい
生物学的な話にとどまらず、歴史や文化まで幅広く網羅しており
同業者でも学ぶことがたくさんある
科学に馴染みの薄い人にも解りやすく、関心をもってもらえる要素が多い
きれいな写真も満載で、細部にまでコダワリと気配りがみてとれる
ページの隅にあしらわれたパラパラ漫画も
フジツボの子供がしだいに成長してゆく様子がわかって、すばらしい
隅々から著者のフジツボへの愛がビビッドに伝わってくる
この本のように、万人に楽しめ、かつ、レベルも高い本はなかなかないと思った
「すばらしい」のひと言、是非読んで下さい