鉢呂通産省大臣の辞任問題まで発展したフクシマの「ゴーストタウン」の問題。この本の「まえがき」を読むと、この辞任問題以前に書名が付けられたようだが、フクシマの警戒区域などがゴーストタウンと化していることは、もはや常識だろう。その意味では、この本の書名には別段驚くことはない。
書かれているのは、政府の警戒区域設定後に初めて報道が入ったという20キロ圏内の状況だ。この避難地域にメディアが入って報道しないことを不思議に思っていたが、この本で書いている警察の厳戒態勢をみればうなずける。しかし、メディアと違い、こういうところに入っていって報道するのが、やはりフリージャーナリスとの真骨頂だろう。「人も動物も誰もいない、人類が絶滅した後のようなゴーストタウンだった」とその状況が多数の写真入りで書かれている。
また、ここでは福島第1原発避難区域の11市町村のゴーストタウン化につていも書かれているが、やはりこの避難区域についても、なぜか報道はまったくみかけない。ときおり飯舘村だけが報道されるだけだ。これもメディアの怠慢だろう。フリーの方々がこういう地域にどんどん入っていって報道されるのは、相当キビシイ状況だろうがこれこそ今の日本の報道・メディアの厳戒を突き破ると思う。とくに原発問題では、政府・東電の隠蔽体質とともに、メディアの隠蔽体質さえ(大本営発表と朝日新聞は自ら反省していた)問題になっているが、これらを超える報道がこの本でなされている。
それにしても、この本の多数の写真と現地報告で描かれているフクシマの避難地域の状況は、原発(核)という人類が未だ制御できないものを推進している政府や電力会社、東大などの「科学者」の、「人類への罪」を暴き出すものだ。