演奏能力が特別高くなくても、ダンスが下手でも、素晴らしいアイデアとセンスが有ればポップス性と前衛性を両立出来る事を教えてくれた大傑作です。
リズム隊の荒っぽいが重い熱演がバラバラになりそうなグループの演奏をギリギリにロックに留めています。
後はヒョウタンツギの様なイーノのシンセやガチャガチャしたマンザネラのギター、未来派ルイジ・ルッソロの元祖騒音楽器イントナルモーリの様なマッケイのサックス、そしてソウルミュージックの様に歌っているつもりなのか良く解らないフェリーの安定して不安定なヴォーカルが絶妙の掛け合いを聴かせ、実にスリリングです。
極彩色のチンドン屋の如き1,4曲目に怪奇小説のドラマチックな朗読を思わせる5曲目等、彼らのライブの定番になった名曲揃いのA面は神憑っています。
それにしてもこんな奇妙奇天烈な音楽がヒットしたとは実に素晴らしく、これは彼らの音楽をスタイリッシュだと思わせた販売戦略の見事さも伺い知れます。
アナログ盤時代から音が良い事で有名なグループですが、CDになってもその片鱗が充分残って居るのは二人の有能なプロデューサーに加えて当時から音響効果に非凡なセンスを見せていたイーノの貢献がどれ位有ったかも知りたいと思いました。
奇妙なポップ・ミュージックがお好きな方、喉声のやや不安定なヴィヴラート・ヴォーカルに抵抗の無い方には文句無に大推薦の時代を乗り越えた傑作です。