アメリカの「外交問題評議会」による外交専門誌の日本語版。この号の特集は、二つとも新視点に立った読み応えのある記事を載せている。ひとつは「経済と社会を支える大学の条件とは」で、イエール大学長の「アジアの大学は世界のトップを目指す」とジョンズ・ホプキンス大学長の「グローバル化する大学」の2論文は、アメリカの有名大学が世界に分校をもうけていることや、中国・韓国が世界トップクラスの大学育成を目指していることを論じている。日本の大学はますます遅れをとりそうだ。次の特集は「火山の爆発が地球を冷やす――それを工学的に実施すれば・・・」で、カーネギーメロン大学とメリーランド大学の教授らの共同論文「温暖化対策の切り札としての地球工学オプション」(2009年4月号のレポートに初出)を再録し、外交問題評議会のミーティングでその二人が論文の趣旨を説明した「地球工学に関する国際ルールの導入を」を載せている。地球温暖化に対処する地球工学オプションの研究が進められつつあるが、それで一時的に温度を下げることができても、予想外の危険も生じうるので、実験や運用に関するルール整備を急ぐべきだとする。傾聴すべき議論だ。ほかにも、冷戦を再検証する英キングス・カレッジ教授の論文や、「6月になると、北朝鮮は黄海で事件を起こす」と予言した(少し早く起こったが)韓国の外交・国家安全保障研究所教授のインタビューなど、盛り沢山。