フランスの伝統菓子ガレット・デ・ロワ。その中に入れられる、フェーヴと呼ばれる2〜5cmほどの陶磁器(金属・樹脂製などもある)を紹介した本なのですが、予想を超える情報量の豊富さに驚きました。
掲載されているフェーヴの数と、現実・創作を含めた多種多様なモチーフの多さには圧倒されるものがあります。作者曰わく、「モデルになっていないものを探す方が難しい」とのことですが、特にフランス関係の題材に限れば、納得できます。
そして、この本の最もすごいところは、フェーヴの歴史と変遷を丹念な調査によって明らかにし、それに基づいてフェーヴに関わる文化、伝統、人々の想いを丁寧に紹介していることです。
さらに、フェーヴの探し方から、年代・製造業者別の見分け方まで記述は多岐に渡ります。 本書の濃密な内容は、「フェーヴの辞典」と言っても過言ではありません。
ただ、 一つだけ、要望を言わせてもらうと、174ページのコンパクトな本に溢れんばかりに情報を詰め込んでいるため、必然的に文字が小さくなりがちな部分があります。情報量からすると倍のサイズとページ数でも良いぐらいです。
とは言っても、フランスの人々に優るとも劣らない、著者のフェーヴに対する真摯な情熱が伝わってくる素晴らしい一冊であることには変わりがありません。
もし、この本を書店で見かけたら、ぜひ、手にとってみることをお勧めします。