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22 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
入門書では飽き足らず、一歩先のハードルを越えたい方にお勧め!,
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レビュー対象商品: フェルディナン・ド・ソシュール――〈言語学〉の孤独、「一般言語学」の夢 (単行本)
読売新聞の書評を読んで、購入しました。書評で田中純さんが「ソシュールが晩年に行った「一般言語学」講義の原資料の緻密な読解を通して、この破壊にいたる錯綜した知的格闘の過程をダイナミックに描き出した、思想史研究の大変な労作である」と書かれていたように、膨大な資料をもとに、ソシュールの生きた時代背景を描き出し、その時代だからこそソシュールが思索できたものを誠実に書いた著作だと思います。 たしかに初心者が入門書として手にするものではないかもしれませんが、言語を用いて言語について語らねばならない困難な道のりを、著者の思考と一緒にたどる有意義な時間をもつことができました。特に後半は言語学にまつわる思索についていく覚悟を必要とされますが、入門書では飽き足らず、一歩先のハードルを越えたい方には強くお勧めします。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
アローン・イン・ザ・ダーク,
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レビュー対象商品: フェルディナン・ド・ソシュール――〈言語学〉の孤独、「一般言語学」の夢 (単行本)
「アローン・イン・ザ・ダーク」のように、本文がするすると入ってくると思った瞬間に、それを嘲笑うかのように想像を絶する文章が続く。長いときは何十ページも続く。もうあきらめようかと何度も思った。でも本文の文体は挑発してくるのだ。分からないのに「続き」が気になるという矛盾に終始しながら濃密な時間を過ごすことができた。絶望の中にささやかだけれど激しい喜びがあった。一時間や二時間があっというだった。本文の大半を喫茶店で目を通した。許容範囲を超えた無力感に打ちのめされながら帰宅する途上、今まで思ったことも考えたこともない言葉やモノの見方がぐるぐる閃くことがあった。研究や勉強の為ではなく、現実逃避の手段というか趣味として本文を追いかけ始めたので注釈は飛ばし、本文のあとに続く詳細な付録も「あとがき」以外は割愛して読了ということにさせていただき、これを書いた。
18 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
極上の「読む」という経験を与えてくれた好著!,
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レビュー対象商品: フェルディナン・ド・ソシュール――〈言語学〉の孤独、「一般言語学」の夢 (単行本)
『読売新聞』で田中純さん、『週刊読書人』で宇野邦一さんが書評していたのを見て購入しました。両氏とも絶賛していましたが、私にとっても素晴らしい読書体験になりました。ソシュールについては、丸山圭三郎さん、町田健さん、加賀野井秀一さんの本を読んできましたが、田中さん、宇野さんも評価されていた序章を読み始め、一気に引き込まれました。というのも、ソシュールが思想史や政治史の中で何と闘い、何をしようとしていたのかが明らかにされていく中で、上に挙げた人たちの著作では触れられていなかった事実を次々と目の前にしたからです。多くの言語学者のほか、カント、ヘーゲル、ランケ、ザヴィニー、ニーチェといった哲学者や歴史家や法学者が登場しますが、ていねいに記述されているので辛抱強く読めば理解できましたし、それらの人たちを無理にソシュールと結びつけているどころか、ジャンルを越えた人たちが同じ地平で同じ問題と格闘していたことが納得でき、この本の帯で前田英樹さんが「壮大な思想劇」と呼んでいるとおりだと思いました。 全3回の「一般言語学」講義の聴講ノートを読んでいく本論では、ソシュールが書いた草稿、アナグラム研究や伝説研究ノートと絡ませつつ、序章で描かれた文脈に戻っていくので、講義で扱われる個別の問題が大きな文脈の中でもつ意味が解明される、という推理小説的な楽しみもありました。言語学の素養のない私には追っていくのがつらい箇所もありましたが、心地よいリズムをもつ、小説を思わせる日本語で書かれているため、2カ月ほどかけて読了することができました。 私には専門的なことは言えませんが、これまで知らなかったソシュールを教わったこと、そして極上の「読む」という経験になったことは間違いありません。値段と厚さに躊躇を覚えるかもしれませんが、挑戦する価値は十分にあると思います。
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