本書の構成は次のとおり。(各項目は原著初版本の出版年順)
第一波フェミニズム(第二波フェミニズム以前のフェミニズム)
第二波フェミニズム(「家父長制」「ジェンダー」の概念が理論の発展に大きく寄与)
現代フェミニズム(理論的概念的前提をより根源的な処からゆるがす展開)
日本のフェミニズム(平塚らいてう、与謝野晶子、高群逸枝、山川菊栄、田中美津の5名、および
「日本の1970年代―90年代フェミニズム」)
本書の著者たちの目論見どおり、本書全体を通じて「フェミニズムがいかに
豊かな深い思想的理論的展開を遂げてきているか」が理解される。
「第一波フェミニズム」の名著の著者は、3対2で男性が多い。明治初期、
日本でも近代フェミニズム思想の自国への輸入を担ったのは男性だった。当初
女性が、フェミニズムから疎外されていた状況を示している。近年は、有色
の女性、第三世界の女性、レズビアンの女性からの批判(「女性」概念の同一
性への疑い、異性愛中心主義批判など)がおこっているという。
フェミニズムはこれまでのところ、おもに欧米女性によって創造されてきた
思想であるらしい。ヨーロッパの思想・文化基盤で、初めてこの思想が誕生し
えたことを思えば、驚くにあたらない。だが今日フェミニズムは、さらなるす
べての女性の、人間の解放へむけて挑戦しつつある、そのようなことが見て
とれる。