元々はフロリダ州立大学の修士課程の卒業製作として撮られた30分くらいの作品,イタリアの映画祭でこれを観たタランティーノが監督のレブ・ブラドックに「ボクが協力するから長編版を作ろう」と言って作ったのだそうだ。
主演のアンジェラ・ジョーンズはその卒業製作時の主演女優のそのまま横滑り。この映画より前に公開されたタラティーノの監督作品「パルプ・フィクション」で,ブルース・ウィルスのボクサーを乗せるタクシーの運転手「エスメラルダ」を演じているのがプロの映画女優としては唯一のキャリア,というど新人である。……が,これがナカナカにいいのよな。誰がやっても難しいだろう役 (殺人事件マニアが嵩じて「事件現場専門の掃除屋」に就職してしまう,でもその嗜好以外はしごく明るいヘンなオンナ) をなんとまぁイキイキと演じてるのがおかしく怪しくそして可愛い。
ウィリアム・ボールドウィンが演じる「クビを切り落としたくてしょうがない殺人鬼」もハマってるんだが,オレとしては主人公ガブリエラとお掃除コンビを組むエレナ役,メル・ゴーラムが「働く正しいアメリカ人女性」をキッチリ演じているのが気持ちよかった。アメリカ映画には端役だけど「きっちりプライドを持って労働者をやってる女のヒト」というのがよく出て来る。他の国,例えばイギリスや日本にもそういうヒトは実際にはいるのに,映画には出て来ないような気がするんだよね。