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最も参考になったカスタマーレビュー
39 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
これがジャーナリストの仕事,
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レビュー対象商品: フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた) (ペーパーバック)
映画「ソーシャル・ネットワーク」(好き嫌いはあると思うが傑作)を観て本書を読んだ。映画版はザッカーバーグ本人に取材を拒否され、「服装以外は嘘」とまで言われてしまったが、本書は本人から執筆を促されて全面協力の元に書かれたものである。映画版はフェイスブック創成期の若者たちの熱狂と葛藤が描かれ、特に当初のCFOで出資者であるサベリンとザッカーバーグ、歌手のジャスティン・ティンバーレイクが好演した初代社長のショーン・パーカー(ナップスター創立者)、3人の愛憎を一つの柱にしているが、これはフィクションであることは割り引いて考えた方が良いだろう。 本書を読むと、サベリンの役割は最初のうちだけであり、ハーヴァード大学の寮の一室からうまれた一種のサークルが会社として成長するためには、多種多様な人材が必要だったことが良く分かる。特に、創立メンバーでプログラムには素人だったモスコヴィッツや、広報担当として活躍したクリス・ヒューズ(後に退職しオバマ選挙戦のスタッフになる)などは、映画ではあまりクローズアップされていないが重要なメンバーである。更に、カリフォルニア州パロアルトに移ってからは、自分の創立した会社2つから追い出されたショーン・パーカーが「投資家には気をつけろ」とアドバイスしたり、資金導入に重要な役割を果たすマット・コーラーが入ったことで会社として成長する起爆剤となる。 先行企業のグーグルと比較されるところもあるフェイスブックであるが、本書にもある通りグーグルが「情報」だとしたらフェイスブックはあくまで「人とのつながり」。ビジネス面で言えば、グーグルもユーザーの検索傾向から広告を表示してくるが、フェイスブックは更に細かく個別にターゲティング出来る(当初は大学関係者に限られていたので、その大学の周辺の店の広告などを出した)。(本書ではザッカーバーグがラリー・ペイジに「なぜフェイスブックを使わないの?」と質問する場面があって愉快だ)更にフェイスブックはプラットフォーム化を目指すことで、グーグルをも脅かす巨大な存在になろうとする。 そしてザッカーバーグは何より世界を透明なネットワークにすることを理想とする。映画では当初女性に振られた腹いせに始めた、コミュニケーション不全の変わり者として描かれているが、本書では巨額の買収を提示されても「カネはいらないんだ」と拒否する一種の求道者のような存在。そして海千山千の投資家も「彼は生まれながらのCEOだ」と驚嘆するような遠大なビジョンを持ったカリスマである。 しかしなぜアメリカでは学生の起業が成功するのであろうか。一つには理系もビジネス視点を持っていること、大きいのはスタートアップに投資し、後押しする大人が必ず存在すること(フェイスブックではワシントン・ポストのオーナー一族のドン・グレアムやペイパル創立者のピーター・シールなど)、があげられるだろう。会社が巨大化するとフェイスブックの創立メンバーが皆退社し、役員が「大人」ばかりになる、という事実も語られているが。では、日本ではホリエモンがそうか、というと違う気がする。むしろ紙媒体ではあるがリクルート創立者の江副氏の方がそうかとも思うが、世界を席巻するモデルではない。 地域によっては類似SNSに負けてはいるが、ザッカーバーグ=フェイスブックの理想である透明性のある礼儀正しいコミュニケーションは一種の教義のような理想を持ち、人々はそこに魅かれるのだろう。 本書はアメリカのジャーナリズムの良き伝統である徹底した調査に基づいた良書であり、また現代の英雄譚の一種である面白いストーリーである。
32 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
フェイスブックのイデオロギー問題にまで踏み込んだ、読ませる一冊,
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レビュー対象商品: フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた) (ペーパーバック)
映画「ソーシャル・ネットワーク」の原作となった、ベン・メズリックの『フェイスブック』との最大の違いは、マーク・ザッカーバーグ本人を取材していること。さらに、熱狂と混乱の創業初期だけでなく、その後の急成長のなかで、いかにサービスを拡充し、人材と資金を確保していったかを詳述している点である。企業の創業物語というのは、業種や時代は違えど、よく似ているもの。「すごいアイデア」を思いついたという興奮、寝る間も惜しんで働く熱狂、成功にむらがる有象無象、仲間割れの危機……。本当に面白いのは、その先だ。フェイスブックがニュースフィードのサービスを導入した際のユーザーからの大反発、ツイッターやグーグルとの闘い、つねにつきまとう個人情報取り扱いについての不信感、それら、どれ一つとっても会社を潰しかねない問題を乗り越えながら、6億人のユーザーをさらに拡大しつつあるフェイスブックは、これからどこへ行くのか。著者は、フェイスブックに直接間接かかわる多くの人間の視点を通して、現在進行形のフェイスブックの姿を立体的に描きつつ、この会社の直面する倫理的、哲学的問題へも斬り込んでいる。 爆発的成長の原動力となった、ザッカーバーグの過激な信念に基づく「究極の透明性」の追究がどこまで可能なのか。ザッカーバーグの言う「アイデンティティーはひとつだけ」という考え方が、万人に受け入れられる日がくるのか。日本では「アメリカは実名社会だからフェイスブックがあれだけ流行った」とよく言われるが、アメリカ人でもフェイスブックのオープン度合いにとまどいを覚えるユーザーが少なくないことが本書を読むとよくわかる。また、技術(アルゴリズム)志向のグーグルと、人間(心理学)志向のフェイスブックの違いも興味深い。この二社の相違点は、検索エンジンとSNSというサービス内容ではなく、それぞれの会社が掲げている世界観や哲学の違いであり、彼らの闘いはテクノロジーのみならず、イデオロギーの闘いでもある。質、量とも満足度の高いノンフィクション。さらにこの先が読みたくなった。
60 人中、54人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
映画の原作本よりもこちらの方がオススメです,
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レビュー対象商品: フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた) (ペーパーバック)
Facebookを題材にした本としては、映画「ソーシャル・ネットワーク」の原作本、ベン・メズリック『facebook』青志社もあるけれど、それよりもこちらの方が断然オススメ。ベン・メズリックの方は、映画の原作ということもあり、ザッカーバーグがFacebookを立ち上げる過程で巻き起こしたさまざまな軋轢を、描いていて、面白かったことは面白かったのだが、ザッカーバーグに取材をしていないということで、あまり、Facebookの成長の過程とかは描かれていない。 逆に、この本は、著者がザッカーバーグに密着していて、ここまでFacebookが世界最大の巨大なSNSに成長していくにあたり、どのような問題にザッカーバーグを始めとするFacebookのメンバたちが直面し、どのような決定を行ってきたかをつぶさに描いていて、非常に面白い。 彼らが直面してきた問題には、財務的な問題もあれば、アプリケーションの機能拡張の問題、さらにはFacebookが常に頭を悩ましてきたプライバシーの問題と、さまざまな問題で、それを切り抜けていた経営者としてのザッカーバーグは、単なるよく言えば天才ハッカー、悪く言えばオタクなんかじゃないことが分かる。そして、映画の原作の原題にあるような「偶然の億万長者」ではないことが。 という意味で、非常に読みごたえもあり、面白い本だった。著者もかなりザッカーバーグに好意を持っており、彼よりの記述にもなってはいるが、プライバシー問題など、彼の判断に疑問を呈したりもしていて、決してザッカーバーグの宣伝本にはなってはいない。原作本よりもこちらをオススメしたいが、両方読むなら、そのスタンスの違いを比較して読むのも面白いだろう。
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