CDの仕様に関しては、他の方が書かれているのでいいとして。
このアルバムが発売された当時、スピッツが好きな友達と、ジャケットの女の子が飲んでいるのは何かという話題で盛り上がった。
その友達が何と言ったかは忘れてしまったけれど、私はシェイクだと言い張ったのをいまだにはっきり覚えている。
誰が何と言おうと、この女の子が飲んでいる飲み物はシェイクなのだ。絶対。
わかるよ、スピッツもシェイクも甘いからね。
なんて言われそうだけれど、シェイクは甘いだけじゃない。
甘くってひんやり冷たいのだ。
冷たいから、甘さに騙されて一気に飲むと、頭が痛くなったりする。
スピッツもシェイクに似ている。
草野マサムネの優しい声とメルヘンチックな詩の世界にうつつを抜かしていると、
時々とんでもない毒にやられたり、棘に引っかかったりするのだ。
とは言えこのアルバムでは、そんな毒や棘はやんわりとヴェールに包まれ、その身を潜めている。
けれど潜めきれずに、ちらりとその姿を見せたりする。
そんな微妙な不安定さがこのアルバムの魅力だと思うのだ。
最後に、先ほど草野マサムネの声は優しいと言ったけれど、ほんとはそんなに優しくない。
どっちかというと、ひりひりしていると私は思う。
優しいのに、ひりひりしている。
何というか、春の始めの頃の、日差しは温かいけれど風は冷たいみたいな、あの感じと似ている。
甘いのに甘くない。
優しいのに優しくない。
スピッツの音楽はいつも、私を心地良く不安定な気持ちにさせる。