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プラハの中でも特に古い城下町であるマラーストラナ。ネルダはそこを舞台に、貧しい人々や庶民の心に残る光景や、風刺のきいた小話、ブラックユーモアの漂う物語を、見事な手際で織りなしていく。
幸福なひとりの物乞いが、奇妙な噂のせいで転落する「疫病神にとりつかれた…」。誰一人治療したことのない医者が死人を蘇生させてしまう「藪医者」。独身の老婦人の在りし日の不思議な恋愛事件を描いた「今年の万霊節に書かれた話」など、全11話を収録。
悲しいのに笑えてしまい、悪意に満ちているのに涙が止まらない、不思議な感覚がこの1冊には詰まっている。良くも悪くも人間があまりにも人間らしかった時代と場所の人間賛歌である。贅沢をいえば、タイトルになっているフェイエトンも数編読みたかったが、次に翻訳されることを期待して、いまは我慢することにしよう。
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