歌劇「トスカ」の「歌に生き,恋に生き」のアリアはまるで現代のミュージカル・ナンバーのような感じで伝わってきます。これがフィリッパ・ジョルダーノの個性ですし、素晴らしさなのです。多くの方に愛され、親しまれる歌唱だというのがよく理解できる輝きを持っています。
プッチーニの名曲が、新しい革衣を着て現代に降り立ったようです。その崩し方も好感を持ちますし、なにより声が可憐です。その美貌と相俟って現代の歌姫ともいうべき存在だと言えましょう。
母国イタリアの人達に支持されるだけでなく、全世界でも多くのファンをもつというその素晴らしい個性の輝きを確認しました。
同様に歌劇「ジャンニ・スキッキ」の「私のお父さん」も素晴らしい歌唱です。その伸びやかで繊細な高音は、特筆すべきものですし、そのほとばしるような情感は聴くものを感動に導きます。オペラティックな歌唱ではありませんので、クラシックファンでない方にも是非聴いて欲しい歌唱です。
バッハ&グノーの「アヴェ・マリア」もとても親しみを感じる慈母のような歌唱でしたし、ポップスのナンバーもそれぞれステキでしたね。
その素晴らしい歌唱と美貌、天は二物を与えたと言えましょう。