ニュージャーマンシネマの一旗手、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の野心作です。アマゾンの奥地でオペラハウスを建てようという男の七転び八起きの物語がまず風変わりで目を引きます。また一攫千金を得るために決死の大博打を打つのですが、それが奇想天外で面白い。
そんな奇想天外な話の流れなので、ところどころつなぎに荒削りな部分が目立ちます。また、キャラクターたちの細やかな心理描写に欠けることはたしか。またラストへの持っていきかたが半ば強引でもあります。
が、異郷の地での男の飽くなきチャレンジ精神が爽やかに感じられ、一気に観てしまいます。そのあたりヘルツォーク監督の、ところどころに笑いをかませ、美しいアマゾンの風景を挿入し、好感の持てる喜劇にもにた抒情詩にこの作品を仕上げているところが見事。特にアマゾンに響き渡るオペラ楽曲に主人公の浪漫をいやがうえにも感じ入るほかはありません。ジャングルとオペラのシューリアリスティックな対比も実に味わい深いのです。
半ば狂信的な、でもチャーミングな主人公フィッツカラルドを怪優クラウス・キンスキーが熱演。夢果てぬ男を、滑稽に、またリアルに演じています。特に、よれよれの白いスーツとストローハットがアマゾンのエキゾシズムとぴったりマッチ。ああいうの着て、ドロだらけになるの憧れですね!往年の美人女優、クラウディア・カルディナーレをもうちょっと観ていたかった。でも彼女、ホントにいつまでもキュートです。