本書は、フィッシャーが個人投資家に向けて、自らの投資経験と多くの失敗例の分析から導いた投資の基本原則をまとめたものである。彼の投資法はバフェットと同様に長期投資であり、投資対象はタイトルにあるように「超成長株」であるが、本書の言葉を借りてさらに的確に言えば、「厳しく選び抜かれた少数の最優良株」に投資し、「最小のリスクで資産を最大化する」投資法である。
投資関連の本のなかには、内容が曖昧で、無難な投資原則を並べ立てているだけのものも多いが、本書の良いところは、良いものは良い、悪いものは悪いと歯切れよく述べられていることである。「どれほど割安な株であっても、せいぜい5割引のバーゲン品でしかない」とバリュー株投資を皮肉り、「投資家は決して10%や20%の小さな利益にではなく、何年間もかけて10倍近くになるような株価の成長にこそ興味をもつべき」と断言する。
構成は、まず「最高の株を選び出すための15のポイント」で彼の言う超成長株を見極めるための実践的な方法が示されている。その後、投資家が興味を持つであろう「何を買うべきか」「いつ買うべきか」「いつ売るべきか」の各章が続き、さらには「行きすぎた分散投資をしてはならない」をはじめとする投資家が陥りやすい注意点を示した「賢い投資家になるための5don't」が用意されている。
本書は、個人投資家に向けて語りかけるように書かれており、難しい専門用語はほとんど見当たらない。それゆえに、投資の初心者でもわかりやすく、難しい投資原則にがんじがらめになっている経験者にはあらためて自分の投資法を見直すよいきっかけになるかもしれない。彼の言葉から伝わってくるのは、多少の噂や野次に惑わされることのない投資に対する確固たる姿勢である。本書を読んで彼の力強い投資家魂を感じてほしい。(大角智美)
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今日バフェットの名前とともにバリュー投資が投資雑誌の紙面にしばしば登場するが、バフェットの成功を語る上でグラハムのみに注目しては片手落ちだ。グラハムの投資方法はすばらしい。しかし、常に新たな主導株が登場する市場において、勉強熱心な多くの一般投資家にとってそれのみでは退屈ではないだろうか?また、グラハムの言うような多数の分散投資は個人投資家のほとんどには、資金的に無理ではないか?
そのように感じる人は、評価の高いこの本を読んで、成長株の視点を銘柄選択のときに反映してはどうだろうか。
ただ、白状するとこの本には大きな欠点が2つある。
ひとつは、監修者らの使用した「ロッドマン化」(文字の大きさを変えて強調するなど)。これは、強調部分について、著者の同意がない限り原著の文意を損なう。この本を手に取る向学心豊かな投資家には不要であろう。
ふたつめは、解説のNotesが余りにひどい。
内容自体が解説者の自己満足としか思えない内容が多すぎる。
また、形式的にも、章末などに纏めて載せず、目立つ網掛けのNOTESとのコラムのような形で、文章をぶった切っている。
これは、せっかくフィッシャーが顧客に語りかけるように書いているのに、そこに解説者が横槍を入れて、著者と読者の会話の妨害をしている。
せめて、脚注にするべきだ。正直、章末に纏めるには余りにも内容がないからだろうと誤解しかねない。
出版社や監修者らは自身の名誉・良心、読者の為に新版では、Notesと編集方法を見直すべきだ。
ただし、翻訳は自体は読みやすく、語りかける文章にしている点は、高く評価したい。
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