全ての書評が酷評なのは、記事の内容(ライター)に差があるのと、グランプリに出場しない選手に対する記事に対する不満のためだろう。作りは日本選手に関するインタビュー、解説中心で、それほど奇をてらっているわけではない。写真も大きな写真が少ないが、たとえば浅田選手は申雪組の結婚式やプリンスアイスワールドのふれあいタイムのミントの衣装、Dreams on Ice, THE ICE、表彰、CMの発表会などが、ネットなどで見たことがある写真が多いにせよ、揃っている。村主選手のようなベテランについてもインタビューがあるのは嬉しいところ。CS, BSを含んだ放送予定も役に立つだろう。しかし、相変わらず現状の認識不足な点が多く、4回転がマスト、と現行の採点では評価されていると言い難い4回転について過剰に展望に書いたり、ルール改正についても高難度ジャンプを持つ選手に有利なように書いている。「ルールの改正はプラスマイナスゼロ」と思っているという浅田選手の方がライターよりはるかに冷静に物事を把握できていそうである。グランプリに出ない選手の記事は2ページで、ライターは韓国の記者。韓国内の視聴率の高さなどを上げ、母国の記者が書いているだけに当然絶賛になっているのだが、グランプリのガイドブックを買う読者層が求めている情報がどうかは疑問である。また長洲未来選手のインタビューで「年寄りの選手たちに負けないようにしたい」と書いてあるのは日本語としてお粗末。そして、他の書評にもあったが佐藤コーチ夫妻のインタビューも、佐藤コーチが浅田選手の背中を滑走前にさするかどうかなどという馬鹿げた内容の質問が繰り返されている。以上から、スケートの本は何でも買う層や特定の選手の熱狂的なファンにはお勧めできるが、一般の方には、内容が悪い記事が多いので、余りお勧めできない。