昔、中学生だった私は鈴木敬信著『天体写真集』を買って、毎日毎日、繰り返して見ながら、星雲や星団の名前を覚えた。見るのに飽きるということはなかった。その写真集はもちろん白黒だった。あれから50年近くが過ぎ、その写真集はまだ書庫に保存してある。
時代は進んで、ハッブル宇宙望遠鏡等で撮られた数々のすばらしい、鮮明な宇宙写真を見ていると、悠久の宇宙空間に漂っているかのような錯覚にとらわれ、いつまでも見ていたくなる。日常生活の些末なことはどうでもよくなってくる。
人間はいかに小さな存在か。宇宙に対する畏敬の念を呼び起こす写真の数々である。とりわけ、見開き計4ページ分の銀河系やアンドロメダ星雲などの詳細な写真には圧倒される。
テレビやインターネットを一時やめて、時にはこうした宇宙写真を見て、想いをめぐらすのも、忙しい現代人には必要であろう。
ちょっとした大金を支払わなければならないが、それだけの価値のある一冊である。『フル・ムーン』『ビヨンド』ともに、万人にお勧めです。