水彩色鉛筆の最高峰との呼び声も高いアルブレヒトデューラーだが、使ってみて
その高評価に納得。
滑らかな書き心地と色の乗りの良さは、長年にわたって色鉛筆の最高峰の座に
君臨してきた同社のポリクロモスに通じる部分がある。
通常の色鉛筆としてももちろん使えるが、やはり本領を発揮するのは
水で濡らしたときだ。
初めて見たときにはギョッとする人も多いのではないかと思うくらい、明るく
そして鮮やかな発色をする。
その色の美しさは透明水彩絵の具の最高級品と比べても勝るとも劣らない。
水を使う前の色味との変化の差が激しく、また芯の顔料が高濃度なので、
慣れないと濃淡を付けるのさえ難しいほどだ。
茶色など非常に明るく鮮やかな発色のものがあって、たとえば生木の赤身の部分を
思わせるような色に驚かされたりもする。
また、グレーの発色に深みがあって、非常に使い勝手が良い。
36色セットの方が一度に全部の色を見渡せて使い勝手が良いのだが、60色セットも
中皿を蓋の上に載せてやれば同様な使い方ができる。
36色セットでも十分に使えるのだが、36色のうち9色が黄土色・茶色系統という
個性的な配色になっていることもあり、60色セットの方が断然に華やかだ。
また、製造や出荷の時期によって違うのかも知れないが、60色セットは単純に
36色セットに24色を加えたのではなく、一部の色を入れ替えているような部分がある。
36色セットにあったグレーが無くて、それよりも濃いグレーと薄いグレーが1本ずつ
入っているなどが認められた。
(ひょっとしたら、何かの「間違い」かも知れないが)
とにかく使い心地と発色の素晴らしさには文句の付けようが無い。
ありとあらゆる水彩色鉛筆を試したわけでもないけれど、最高峰だと言われて
納得してしまうだけの魅力と楽しさに満ちている。
注意すべき点は、ロットによって軸木の芯の表示色が結構違うので、店に補充を
買いに行くときには、しっかり番号を控えておいたほうが安全だ。
それから軸木が通常の色鉛筆よりも太いので、ナイフやカッターで鉛筆を削れない人には
専用の鉛筆削りが必要になる。
ミニタイプのシャープナーで良いので、一緒に入手するのが良いと思う。
それから、水筆の類は必須。
筆が汚れにくいので、混色やグラデーションなどがしやすく、この製品の魅力を
満喫するのにもってこいだ。
大は小を兼ねるで、丸筆と平筆が1本ずつあれば用は足りると思うが、気に入ったら
もっと増やしていけば良い。
値段は張るが、至高の逸品と呼ぶに相応しい製品だと思う。
36色でも十分な気もするが。